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ダミアン・ハースト展と表現の自由:アートと倫理の境界線とは?ダミアン・ハーストの作品に見る、美と倫理の衝突

生と死を鮮烈に描く、ダミアン・ハースト日本初の大型個展!最新作「桜」シリーズ24点を中心に、生命の美しさを問いかける。巨大なキャンバスに咲き誇る色彩豊かな桜は圧巻。一方で、物議を醸した「AHundredYears」事件も振り返り、芸術における動物倫理の問題提起も。美と倫理、表現の自由と検閲。現代アートの深淵に触れる、見逃せない展覧会。

ダミアン・ハースト展と表現の自由:アートと倫理の境界線とは?ダミアン・ハーストの作品に見る、美と倫理の衝突

📘 この記事で分かる事!

💡 ダミアン・ハーストの大規模個展「桜」シリーズについて解説します。

💡 作品「AHundredYears」を巡るPETAとの対立と、その背景にある問題点を深掘りします。

💡 表現の自由と検閲の問題について、過去の事例を交えながら考察します。

それでは、まずダミアン・ハーストの展覧会について詳しく見ていきましょう。

ダミアン・ハーストの日本初個展:桜シリーズ

ダミアン・ハーストの日本初の大規模個展は、どんなテーマの作品が展示される?

桜と生と死

今回の展示は、ダミアン・ハーストの「桜」シリーズに焦点を当てた、日本初の大規模個展です。

ダミアン・ハースト桜」展、国立新美術館(東京・六本木)にて開催
ダミアン・ハースト桜」展、国立新美術館(東京・六本木)にて開催

✅ イギリスを代表する現代作家、ダミアン・ハーストの大規模個展が国立新美術館で開催される。

✅ 本展は、カルティエ現代美術財団が開催した「Damien Hirst, Cherry Blossoms」展の国際巡回展で、107点から成る〈桜〉のシリーズから作家自身が24点の大型絵画を選び展示空間を作り上げる。

✅ 色彩豊かでダイナミックな風景画は、西洋絵画史を独自に解釈し、儚くも鮮やかに咲き誇る桜並木の世界に私たちを誘う。

さらに読む ⇒出典/画像元: https://www.neol.jp/art-2/112671/

桜の美しさを通して、生命や死といったテーマを探求するハーストの作品は、非常に興味深いですね。

イギリスを代表する現代アーティスト、ダミアン・ハーストの日本初の大規模個展が、2022年3月2日から5月23日まで、国立新美術館で開催されます。

本展では、ハーストが3年かけて描いた最新作「桜」シリーズから、厳選された24点が展示されます。

ハーストは、生と死をテーマとする作品で知られており、今回の展覧会でも、桜の美しさを通じて、生命と死、そして自然と人間の関係を探求しています。

「桜」シリーズは、西洋絵画史へのオマージュとも捉えられ、ハーストのこれまでの抽象絵画とは異なる、色彩豊かでダイナミックな風景画が特徴です。

巨大なキャンバスに描かれた作品は、そのスケール感も圧巻です。

ハーストは、今回のシリーズについて、「『桜』のシリーズは美と生と死についての作品です」と述べており、彼の作品のエッセンスを感じることが出来そうです。

国立新美術館の敷地には、桜が咲き乱れるため、ハーストの描く「桜」との対比も楽しみなポイントです。

桜の儚さって、なんだか人間の魂のようですよね。ハーストの作品を通して、自分の内面と向き合えそう。

動物愛護団体PETAによるハースト作品「AHundredYears」撤去事件

ハエを使ったハーストの作品が物議醸した理由は?

動物虐待の疑い

「AHundredYears」は、ハエの生死を通して、人生のサイクルを表現した作品です。

ハエが死ぬダミアン・ハースト作品に動物愛護団体が抗議。美術館はインスタレーションを撤去
ハエが死ぬダミアン・ハースト作品に動物愛護団体が抗議。美術館はインスタレーションを撤去

✅ ダミアン・ハーストのインスタレーション「A Hundred Years」は、殺虫灯に引き寄せられたハエが焼け死ぬことで命のサイクルを表す作品だが、動物愛護団体PETAから「ハエは動物保護法の対象外ではない」と抗議を受け、美術館は撤去を余儀なくされた。

✅ 美術館側は、ハエは釣り用品業者から購入したもので、展示に使われたのは羽化の一部のみだと説明している。しかし、PETAは「動物を殺すことは芸術とは何の関係もない」と主張し、美術館は今後、人工のハエを用いるか、作品を再展示しないことを検討するとしている。

✅ この事件は、芸術と動物愛護の境界線、そして動物の尊厳に関する議論を再び浮き彫りにした。ハーストの作品は、これまでにも倫理的な問題を提起してきたが、今回の事件は、現代社会における動物に対する認識の変化を象徴していると言えるだろう。

さらに読む ⇒(アートニュースジャパン)出典/画像元: https://artnewsjapan.com/article/322

動物愛護団体との対立は、アートにおける倫理観を改めて考えさせられますね。

イギリスの現代美術家、ダミアン・ハーストのインスタレーション作品「AHundredYears(100年)」がドイツのヴォルフスブルク美術館で展示され、数百匹のハエが殺虫灯に引き寄せられ焼死したことが動物愛護団体PETAから批判を受けました。

PETAは美術館に対し、動物虐待であるとして苦情を申し立て、作品を撤去するよう求めていました。

美術館側は当初、ハエは動物保護法の対象外と考えていたと説明していましたが、市の獣医局が美術館に口頭で注意を行った後、作品は撤去されました。

美術館はハーストのスタジオに連絡を取り、人工のハエで展示できるか確認し、それができない場合は、作品を再び展示しないよう勧告するとしています。

ハーストは、この作品が「箱の中のライフサイクル」を表すものであると説明しています

しかし、PETAは「動物を殺すことは芸術とは何の関係もない。

自分たちの利益のために、文字通り死体の山を築く人間の傲慢さを示しているだけだ」と強く批判しています。

この事件は、芸術作品における動物の扱いを巡る議論を再び浮き彫りにしました。

特に、現代美術において動物がどのように扱われ、どの程度まで許容されるのかという問題について、多くの議論を呼ぶことになりました。

ハエは感情がないから、命と呼ぶのは違う気がするわ。芸術のためなら命を犠牲にするってのは、ちょっと理解できないわね。

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ハエの生死を表現したダミアン・ハーストの作品が物議!PETAが動物愛護の観点から展示中止を要求。芸術と倫理、表現の自由を問う問題作。