福来友吉と念写研究の真実? 科学と超能力のはざまで揺れた男の軌跡明治時代の超常現象ブームと福来友吉の軌跡
明治の心理学者、福来友吉。日本初の催眠研究書を著し、博士号も取得したエリート研究者だった。しかし、透視能力を持つとされる人物との出会いが運命を変える。超常現象の科学的解明に挑むも、学界からの猛反発を受け、失脚。日本の心理学史に残る異端児の波乱万丈な生涯を追う。
💡 福来友吉は、催眠術研究から「念写」と呼ばれる超能力現象に興味を持ち、その実証に尽力した。
💡 御船千鶴子をはじめとする「透視」能力者の研究を行い、学界から批判を受け、追放される結果となった。
💡 もし福来が催眠術研究に専念していたら、日本の心理学は異なる発展を遂げていた可能性がある。
それでは、日本の心理学黎明期に起きた「念写」ブームと、その中心人物である福来友吉の生涯を紐解いていきましょう。
まずは、この記事を通して皆さんに知っていただきたい3つのポイントをご紹介します。
福来友吉と催眠研究の始まり
福来友吉はどんな研究で有名?
催眠術研究
本章では、福来友吉が催眠術研究から「念写」研究へと進むきっかけと、彼が直面した困難について詳しく見ていきます。
公開日:2025/04/04

✅ この記事は、明治時代に日本で起こった「念写」ブームとその中心人物である福来友吉の生涯について解説しています。
✅ 福来友吉は、催眠術研究から「念写」と呼ばれる超能力現象に注目し、その実証に尽力しました。しかし、当時の科学界では「念写」は認められず、福来は学界から追放されてしまいます。
✅ この記事では、福来の研究と「念写」ブームの経過に加え、もしも福来が催眠術研究に専念していたら、日本の心理学は現在とは異なる発展を遂げていた可能性について考察しています。
さらに読む ⇒|福祉・障がい・教育の情報を発信中!出典/画像元: https://akari-media.com/2023/01/27/member-1849/福来友吉の情熱と、当時の科学界の厳しさ、そして超常現象に対する人々の興味が入り混じった時代だったことがよくわかります。
福来友吉は、1869年に生まれ、東京帝国大学で心理学を学びました。
彼の師である元良勇次郎は、日本における心理学研究の創始者であり、実験的手法を重視していました。
福来は、催眠術に興味を持ち、1905年に日本初の体系的な催眠研究書である『催眠心理学概論』を出版しました。
1906年には催眠研究の論文で文学博士号を取得し、1908年には東京帝国大学文科大学助教授に昇任しました。
福来は、催眠状態が意識、運動、記憶、知覚などに変化をもたらす特殊な心理状態であることを研究しました。
なるほど、福来友吉さんは本当に色々なことに興味があったんですね!催眠術の研究から超能力に興味を持ったっていうのが、ちょっと意外でした。当時の心理学って、今とは全然違ったんでしょうね。
御船千鶴子と透視能力
御船千鶴子の透視能力はどのようにして得られた?
催眠術によるもの
本章では、福来友吉が研究対象とした御船千鶴子の「透視」能力に焦点を当て、彼女を取り巻く謎と真実を追究していきます。

✅ 御船千鶴子は明治時代に日本で初めて科学的に調査された超能力者であり、透視能力により注目を集めたが、東京での公開実験で実験物のすり替えを疑われ、バッシングを受けた後自殺したとされている。
✅ しかし、当時の資料を詳しく調べてみると、千鶴子の透視能力は、手元が見えない状況で開封可能な実験物で実験の成功を重ねており、実際にはトリックの可能性が高いことがわかる。
✅ 特に東京での公開実験では、厳重に封じられた実験物ではなく、比較的容易に開封できるものが使用され、千鶴子が透視能力を証明したというよりは、トリックを駆使して結果を得ていた可能性が高いと考えられる。
さらに読む ⇒超常現象の謎解き出典/画像元: https://www.nazotoki.com/senrigan.html御船千鶴子の透視能力に対する考察は、当時から様々な憶測を呼んだようです。
真実が明らかになるにつれて、当時の状況が見えてくるようですね。
1909年、新聞紙上に透視能力を持つとされる御船(河地)千鶴子が紹介されました。
彼女は義兄の清原猛雄から催眠術を施され、透視能力を得たとされています。
この事件は、福来の注目を集め、彼は御船千鶴子の透視能力について研究を始めました。
福来は、催眠術や透視能力など、当時の社会で話題となっていた超常現象を科学的に研究しようとしました。
透視能力って、本当にあったのかどうかが一番気になりますね。トリックだった可能性が高いというのは、少し残念な気持ちもありますが、当時の科学的な検証方法では、証明が難しかったのかもしれませんね。
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透視能力研究に没頭し、学界を追放された福来。批判と死に見舞われ、失墜した研究の顛末とは?もし催眠術研究を続けていたら…日本の心理学の未来を考察。