諏訪敦の芸術世界、そして「眼窩裏の火事」展とは?画家・諏訪敦の作品に見る、死生観と視覚体験
緻密な写実画で知られる画家、諏訪敦の大規模個展「眼窩裏の火事」が開催!亡き祖母をテーマにしたシリーズ、コロナ禍の静物画、肖像画を通して探求する人間の存在意義。視覚症状「閃輝暗点」から着想を得た作品は、現実と認識の狭間で揺らぎ、新たな視覚体験を提供する。家族史、写実絵画、そして肖像画が織りなす諏訪敦の世界を、ぜひ体感してください。
💡 写実的な画風で知られる画家、諏訪敦氏の生涯と芸術的探求に迫ります。
💡 「眼窩裏の火事」と題された展覧会で展示される作品群と、その背景にある想い。
💡 諏訪敦氏の作品に見る、死生観や視覚体験、そして現代社会への問いかけ。
それでは、諏訪敦氏のこれまでの活動と、現在開催中の展覧会について、詳しく見ていきましょう。
諏訪敦の経歴
諏訪敦はどんな活動をしていますか?
画家、教授
諏訪敦氏がアーティストとしてのキャリアをスタートさせた背景には、様々な葛藤と転換があったようです。
公開日:2023/03/02

✅ 諏訪敦氏は、バブル崩壊期の厳しい状況下で漠然とアーティスト活動を始めたが、その後、文化庁派遣芸術家在外研修員としてスペインに滞在し、2011年に成山画廊で個展を開催することで画壇系から現代美術系への転身を図った。
✅ 諏訪敦氏は、直感と嗅覚を頼りに、状況がチャンスと一致した時に積極的に行動を起こすことを重視しており、自身の指向性と画壇の擦り合わせが難しくなったため、現代美術系への転身を決断した。
✅ 諏訪敦氏は、母校の武蔵野美術大学で教員として活動しており、学生に対してはテクニカルな質問には的確に答える一方、絵の内容や指向性については、学生それぞれの自醸した流儀を尊重し、環境を整えることに重点を置いている。
さらに読む ⇒|東京のアートシーンを共に創り、発信しよう出典/画像元: https://tokyoartnavi.jp/column/24516/諏訪敦氏が画壇にとらわれず、自身の表現を追求した結果、現代美術の世界へ活動の場を広げたという点は興味深いですね。
諏訪敦は、1967年北海道生まれの画家です。
1992年に武蔵野美術大学大学院修士課程を修了し、1994年には文化庁芸術家派遣在外研修員として2年間海外に滞在しました。
1995年には第5回バルセロ財団主催国際絵画コンクールで優勝し、作品はスペイン・マジョルカに収蔵されています。
その後も精力的に個展やグループ展を開催し、2011年にはNHK日曜美術館に出演、絵画作品集「どうせなにもみえない」を出版しました。
2013年には小谷忠典監督の短編映画作品「flow」に出演するなど、活動の幅を広げています。
現在は武蔵野美術大学造形学部油絵学科教授を務めています。
(若者)諏訪さんのように、自分の直感を信じて変化を恐れない生き方は、とてもスピリチュアルで憧れます!
画家の道へ
諏訪敦は、どのようにして現代美術界で注目を集めるようになったのか?
画廊個展、テレビ出演、作品集出版
諏訪敦氏の作品は、単なる描写を超え、見る者に深い思索を促す力があるようです。

✅ 諏訪敦の個展「諏訪敦『眼窩裏の火事』」では、満州で病没した祖母をテーマにした「棄民」シリーズや、西洋美術史の重要ジャンルである静物画の再解釈など、画家の深い思索と緻密な描写が光る作品が展示されている。
✅ 特に「棄民」シリーズは、祖母や父が体験した過酷な現実を、現地取材や文献資料を基に、医学的な視点も取り入れながら再現している。
✅ また、近年の視力の問題を反映させた作品など、自身の体験や認識への問いを作品に昇華させている点も注目すべきである。
さらに読む ⇒出典/画像元: https://www.tokyoartbeat.com/articles/-/suwa-atsushi-exhibition-2022-12バブル崩壊後の活動開始、画壇からの転換、そして現在の活動と、まさにアーティストとしての生き様そのものですね。
諏訪敦は、バブル崩壊後に漠然とアーティスト活動を始めた。
当初は環境作りに苦労し、画壇系にカテゴライズされたが、自身の指向性とのずれに気付き、2011年に現代美術系への転換を決意。
成山画廊での個展開催、NHK『日曜美術館』でのドキュメンタリー放送、作品集出版などを通じて、注目を集めるようになった。
教授として教壇に立つ一方、自身の作品制作では直感的な感覚を重視し、学生に対しては環境整備を重視するスタンスをとっている。
(大人)なるほど、個展で展示されている作品からは、諏訪氏の深い内面性が感じられますね。科学的な視点からも、作品のテーマについて考察してみたいです。
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緻密な写実で知られる画家、諏訪敦。家族史、静物画、肖像画を通して、認識の限界に挑む。視覚症状「閃輝暗点」を表現した、異次元の美術体験を。