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葛飾北斎『富嶽三十六景』の世界へ!浮世絵の巨匠、北斎の魅力とは?富士山と人々の心を捉えた、北斎の傑作

江戸の天才絵師、葛飾北斎。代表作「神奈川沖浪裏」を含む「富嶽三十六景」は、西洋美術に衝撃を与えた。革新的な技法、富士山への情熱、そしてジャポニスム。モネやゴッホも魅了されたその影響力は、絵画、音楽、工芸と多岐にわたる。北斎の浮世絵が、いかに西洋の芸術を変えたのか?展覧会でその秘密を紐解きます!

葛飾北斎『富嶽三十六景』の世界へ!浮世絵の巨匠、北斎の魅力とは?富士山と人々の心を捉えた、北斎の傑作

📘 この記事で分かる事!

💡 葛飾北斎の代表作『富嶽三十六景』は、富士山を題材にした浮世絵シリーズで、国内外で高い評価を受けています。

💡 北斎は、革新的な技法と鮮やかな色彩を用いて、風景画という新たなジャンルを確立し、ジャポニスムにも影響を与えました。

💡 本記事では、『富嶽三十六景』をはじめとする北斎の作品、その背景にある時代、そして西洋美術への影響について解説します。

それでは、まず葛飾北斎と『富嶽三十六景』の世界への入り口として、その概要から見ていきましょう。

葛飾北斎と『富嶽三十六景』

葛飾北斎の代表作「富嶽三十六景」は何をテーマにした作品?

富士山

さて、北斎が描いた『富嶽三十六景』は、彼の晩年の代表作であり、浮世絵風景画の最高峰とも言われています。

誰もが知る北斎の代表作、「富嶽三十六景」シリーズはこうして誕生した!
誰もが知る北斎の代表作、「富嶽三十六景」シリーズはこうして誕生した!

✅ 「富嶽三十六景」は、葛飾北斎が晩年に描いた富士山を題材にした浮世絵のシリーズで、全46図から成り、鮮やかな青色の「ベロ藍」と富士山への信仰心という当時の流行を取り入れたことで、江戸で爆発的な人気を獲得しました。

✅ 当初は36図の出版が予定されていましたが、その人気から10図が追加され、最終的に46図となりました。

✅ 北斎の巧みな絵作りと、当時流行していたベロ藍を用いた鮮やかな色彩が、人々の心を捉え、「富嶽三十六景」は浮世絵風景画の代表的なシリーズとして、世界中で愛されています。

さらに読む ⇒浮世絵・木版画のアダチ版画研究所出典/画像元: https://www.adachi-hanga.com/hokusai/page/know_4

『富嶽三十六景』は、北斎の技術と美的感覚が凝縮された傑作ぞろいです。

特に「神奈川沖浪裏」は、ダイナミックな構図と表現で、見る者を圧倒します。

葛飾北斎は、江戸時代の日本の画家、浮世絵師であり、雪舟の影響を受けたスタイルで風景や春画を描きました。

彼の代表作は、世界的に有名な「神奈川沖浪裏」を含む「富嶽三十六景」シリーズです。

北斎は富士山に対する個人的な執着と、当時の国内旅行ブームを記録する意図を持ってこのシリーズを制作しました。

1823年頃から制作を開始し、1831年から4年かけて刊行されました。

当初は36作品で構成されていましたが、版元の意向により10作品が追加され、最終的に46作品となりました

追加された10作品は、安価な墨を使用しており、品質が低いとされています。

このシリーズは、北斎の画業における集大成であり、浮世絵の新たな時代を築いた傑作です。

革新的な技法と美しい風景描写は、今もなお多くの人々を魅了しています。

(若者)北斎さんの絵は、なんだか心が浄化されるような感じがしますね。富士山の力強さ、自然への畏敬の念が伝わってきます。

『神奈川沖浪裏』:躍動感と謎に満ちた傑作

「神奈川沖浪裏」の波はどんな特徴がある?

巨大で躍動感がある

2017年に開催された「北斎ー富士を超えてー」展では、北斎の晩年の作品に焦点を当て、その画業と精神性に迫りました。

富嶽三十六景神奈川沖浪裏》も展示『北斎-富士を超えて-』展があべのハルカス美術館にて開催
富嶽三十六景神奈川沖浪裏》も展示『北斎-富士を超えて-』展があべのハルカス美術館にて開催

✅ 2017年10月6日から11月19日まで、あべのハルカス美術館で「北斎ー富士を超えてー」展が開催されます。

✅ 本展では、北斎が70歳以降に描いた作品を中心に展示され、晩年の彼が「富士」を超えて追求した世界やその人となりについて迫ります。

✅ 肉筆画約60点を含む約200点を展示する大規模な展覧会で、大英博物館との共同プロジェクトとして開催されます。

さらに読む ⇒(スパイス)|エンタメ特化型情報メディアスパイス出典/画像元: https://spice.eplus.jp/articles/118022

「神奈川沖浪裏」は、今見ても本当に迫力がありますね。

波の躍動感と富士山の静けさの対比が見事です。

北斎の観察眼に驚かされます。

『富嶽三十六景』は、北斎が西洋の遠近法を取り入れ、風景画という新しいジャンルを切り拓いた作品です。

また、ドイツから輸入された人工顔料『ベロ藍』を使用するなど、革新的な手法を駆使しました。

特に有名な「神奈川沖浪裏」は、天まで届くような巨大な波が押し寄せ、砕ける波頭が生き物のように躍動する様子を描いています

波の奥には小さく富士山が顔を出し、荒波の中を行く三艘の船は大きく傾き、今にも呑み込まれそうな緊張感に満ち溢れています。

この作品は、江戸時代に用いられた小型高速船である「押送船」が鮮魚を運ぶ様子を描いていると考えられています。

押送船はスピード重視の設計で、船体が細長く尖った形をしています。

さらに、『富嶽三十六景』は、安定感を与える三角形を効果的に用いた構図も注目ポイントです。

富士山、手前の波、奥の大波など、画面内に3つの三角形が配置され、構図に安定感をもたらしています。

また、富士山と波の対比も注目ポイントで、「遠く」「不動」の存在としてどっしり構える富士山と、「近く」「動」の存在として激しく形を変える波の対比により、奥行きと躍動感が生まれています。

しかし、この名画には2つの謎が残されています。

一つは、現実にはあり得ないほどの大波の中を船が航行している点です。

もう一つの謎は、『富嶽三十六景』が大ヒットした理由です。

(大人)確かに、あの波の表現は面白いですね。しかし、本当にあの波の中で船が航行できたのか、科学的な検証も必要ではないでしょうか?

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北斎の浮世絵が、西洋美術を革新!ジャポニスムの象徴、北斎。印象派に影響を与え、ガレやドビュッシーにも。展覧会で、その魅力を新たな視点から再発見!