現代アートの批評はどうあるべきか? ジェリー・サルツ、AI、NFT…アート界隈の現在地を読み解くには?ジェリー・サルツ、アート批評、NFT、現代アートの未来
美術評論界の異端児、ジェリー・サルツ。彼の鋭い視線は、現代アートの闇を暴き出す!ソーシャルメディアで大暴れし、ピューリッツァー賞まで獲得した彼が、展覧会の85%はゴミと斬り捨てる。現代美術評論の停滞、アーティストの苦悩、AIやNFTが巻き起こす波紋… 記事は、アートの価値、市場との関係、そしてアーティストの生き方について、痛烈かつ多角的に考察する。アート好き必読の刺激的な論考。
💡 美術評論家ジェリー・サルツの活動、ソーシャルメディアでの発信、ピューリッツァー賞受賞。
💡 現代美術評論の現状、表現の自由、アートに対する政治的介入、NFTの課題。
💡 アート作品の価値、市場との関係、アーティストの生存、AIとNFTの批評の受容性。
それでは、まず初めに、美術評論家ジェリー・サルツに焦点を当てた章から見ていきましょう。
美術評論界のアンチヒーロー、ジェリー・サルツ
ジェリー・サルツは、美術評論界のアンチヒーローとして知られるが、彼の成功の鍵は何?
ソーシャルメディアでの活発な発信
ジェリー・サルツの活動と、SNSでの発信について語られたトークイベントの様子をご紹介します。

✅ 美術評論家のジェリー・サルツが、ペリッチ・コレクション主催のトークシリーズに出演し、自身の評論集やソーシャルメディアでの活動について語った。
✅ サルツは、SNSで活動する自身の分身と、現実世界の自分とのギャップについて触れ、ネットでの活動を通して多くのフォロワーと繋がっていることを強調した。
✅ 会場には、サルツの熱心なファンやアート関係者が集まり、トークは活発な議論と笑いに満ちた時間となった。
さらに読む ⇒(アートニュースジャパン)出典/画像元: https://artnewsjapan.com/article/1760ジェリー・サルツは、ソーシャルメディアを駆使して、多くの人々に美術への興味を抱かせているようです。
批評家としての活動と、SNSでの発信を使い分けている点も興味深いですね。
ジェリー・サルツは美術評論界のアンチヒーローとして知られています。
彼はソーシャルメディアで活発に発信しており、他の評論家とは比較にならないほどの知名度を得ています。
2018年にはピューリッツァー賞を受賞しました。
サルツは、トークイベントで自身の評論集やソーシャルメディアでの活動について語りました。
彼は、自身をソーシャルメディア上の分身と現実世界における自分自身の2つの存在と捉えています。
ソーシャルメディア上の分身を通じて、多くの人々に美術について語り、若いフォロワーたちからも人気を集めています。
しかし、その分身は時に荒々しい側面を見せることもあり、サルツ自身もその言動に驚くことがあると語りました。
サルツは、批評家としての活動とソーシャルメディアでの発信を、それぞれ異なる存在と捉え、ソーシャルメディアを通じてより多くの人々に美術にアクセスできる機会を提供していると指摘しています。
SNSでの分身と現実世界の自分とのギャップに触れているのが、現代的だなと感じました。私もSNSで発信する際は、色々と葛藤があるので共感できますね。
現代美術評論の現状:停滞か、それとも変化への適応か
現代美術評論は保守化しているのか?
苦悩とノスタルジー
現代美術評論の現状について掘り下げていきます。
表現の自由が脅かされている現状について考えます。
公開日:2021/03/13

✅ 本書は、2019年のあいちトリエンナーレにおける「表現の不自由」展の中止事件を例に、現代アートに対する政治的介入と表現の自由の危機について考察する。
✅ 著者は、内閣人事局設置以降、文化行政における政権による介入が強まり、表現の自由が脅かされている現状を指摘する。特に、あいちトリエンナーレの事件は、「ソフトな恐怖政治」が顕在化した象徴的な事例であると主張する。
✅ 現代アートは批判精神によって私たちの認識を拡張する役割を果たすため、その表現を保護することは、多様性を享受する権利を守ることに繋がる。著者は、コロナ禍においても芸術表現の重要性を強調し、アート関係者だけでなく、社会全体で表現の自由を守るための声を上げるべきだと訴えている。
さらに読む ⇒好書好日|出典/画像元: https://book.asahi.com/article/14263453現代美術評論は停滞しているというより、変化への適応に苦悩している、という分析はなるほどと思いました。
過去へのノスタルジーも背景にあるのかもしれませんね。
現代の美術評論は保守的な傾向にあるのか、それとも単に燃え尽きているのか。
この記事では、アメリカの美術評論家の論考を通して、この疑問を考察しています。
サルツは、「展覧会の85%はゴミ」という痛烈な指摘をしています。
しかし、否定的な批評にばかり目を向けるのではなく、現代文化における芸術的興奮の減少、過去の黄金期へのノスタルジー、そして現代社会におけるアーティストを取り巻く厳しい状況など、現代美術評論が抱える複雑な問題点を浮き彫りにする必要があります。
ショーン・テートル、ジェイソン・ファラーゴ、ディーン・キシックといった評論家の文章を通して、現代アートの停滞感、アーティストの労働環境の悪化、そしてアイデンティティ・ポリティクスの影響など、現代美術を取り巻くさまざまな課題が分析されています。
結論として、この記事は現代美術評論が保守化しているというよりは、むしろ現代社会における複雑な状況や変化に適応しようと苦悩している状態であり、過去の輝かしい時代へのノスタルジーがその背景にあると指摘しています。
また、現代アートの停滞感やアーティストの苦境は、現代社会におけるテクノロジーや経済状況の変化、そしてアーティストへの新たな要求によって生まれたものであり、必ずしもアートそのものの停滞を意味しているわけではないとも述べています。
表現の自由が脅かされているというのは、看過できない問題ですね。文化を守るためにも、もっと議論が必要だと思います。
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「展覧会の85%はゴミ」? アートライター志望者が、作品の価値、市場、そしてアーティストの生き方を徹底考察。売れることだけが全てではない! 批評家ジェリー・サルツの言葉を巡る、深く考えさせられる議論。