プッシー・ライオットの活動と抵抗:ロシアの反体制派アートとは?「ベルベットのテロリズム:プッシー・ライオットのロシア」展とナージャ・トロコンニコワの手記
ロシアの反体制パンク集団、プッシー・ライオット。過激なパフォーマンスで世界を揺るがし、表現の自由を求め、権力に立ち向かう。逮捕、投獄…危険を顧みず闘う彼女たちの12年間の活動を記録した展覧会「VelvetTerrorism」と、創設者ナージャ・トロコンニコワによる生き方の指南書。パンク、ユーモア、そして怒り。彼女たちは何のために抗うのか?その答えは、あなたの心に響く。
💡 プッシー・ライオットは、ロシアの政治体制を批判するパンク・ロック集団。過激なパフォーマンスで表現の自由や人権を訴えています。
💡 メンバーは逮捕や投獄を経験。その活動は、世界中の人々に影響を与え、国際的な注目を集めています。
💡 ルイジアナ近代美術館での展覧会や、メンバーの手記を通して、彼らの活動の全貌と、その背景にある思想に迫ります。
今回は、ロシアの反体制派アート集団プッシー・ライオットの活動に焦点を当て、彼らの芸術と抵抗について掘り下げていきます。
まずは、プッシー・ライオットとは何なのか、彼らの活動内容を簡単にご紹介します。
プッシー・ライオット:ロシアの支配体制への挑戦
プッシー・ライオットとはどんな集団?
ロシアのフェミニスト・パンクバンド
プッシー・ライオットの活動は、強烈なメッセージ性と挑発的な手法で、世界中の人々に衝撃を与えました。
彼らの活動は、ロシアの支配体制への挑戦であり、表現の自由を求める戦いでもあります。
公開日:2023/10/25

✅ プッシー・ライオットは、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンへの批判を表現した芸術集団です。本記事では、ルイジアナ近代美術館で開催中のプッシー・ライオットの12年間の反プーチン活動を記録した展示「ベルベットのテロリズム:プッシー・ライオットのロシア」について紹介しています。
✅ 展示では、プッシー・ライオットの初期作品から最近の作品まで、プーチンの不正選挙や刑務所の劣悪な環境、女性蔑視に対する抗議活動を、写真、ビデオ、手書きのテキスト、ドローイングなど様々な形式で展示しています。
✅ 特に注目すべきは、プッシー・ライオットのメンバーが2012年にモスクワの救世主キリスト大聖堂で「パンクの祈り」のパフォーマンスを行ったことで、その行動はロシア政府から宗教的憎悪を動機とするフーリガン行為として2年の禁固刑を言い渡されました。この事件は国際的に注目を集め、プッシー・ライオットは世界的にも知られる芸術集団となりました。
さらに読む ⇒朝日新聞+:世界のいまを伝えるウェブメディア出典/画像元: https://globe.asahi.com/article/15036931プッシー・ライオットの活動は、ロシア社会に大きな波紋を広げましたね。
特に、2012年の大聖堂でのパフォーマンスとその後の逮捕は、彼らを世界的に有名にしました。
彼らの勇気ある行動は、本当に印象的です。
ロシアのフェミニスト・パンク・ロック集団、プッシー・ライオットは2011年にモスクワで結成され、ロシアの支配体制への反抗的な活動で知られています。
彼らは、表現の自由、人権、LGBTQ+の権利、政治犯の解放などをテーマに活動し、近年は反戦メッセージやウクライナへの支援を表明しています。
プッシー・ライオットは、ロシア大統領の肖像画に小便をかける映像や「FuckYouFuckingSexistsandFuckingPutinists」というタイトルの活動など、挑発的なパフォーマンスで知られています。
2012年に行われた「PunkPrayer」など、象徴的なパフォーマンスは世界中の人々に影響を与え、反発も招きました。
メンバーは、逮捕、集団暴力、投獄などの結果に直面し、ロシア政府から厳しく弾圧されてきました。
彼らの行動は、とてもパワフルで、何かを訴えかける力強さを感じますね。でも、同時に、彼らが直面した困難や苦しみも想像すると、心が痛みます。
展覧会「VelvetTerrorismPussyRiot’sRussia」:プッシー・ライオットの芸術と抵抗
プッシー・ライオット展のポイントは?
反体制芸術と抑圧
プッシー・ライオットの展覧会は、彼らの活動を多角的に捉え、その芸術性と政治性を浮き彫りにしています。
彼らの活動は、まさに現代アートと社会運動の融合と言えるでしょう。

✅ 「プッシー・ライオット」の活動記録と過去10年間の活動内容がまとめられた作品集。2023年9月~2024年1月にかけてデンマークのルイジアナ近代美術館で行われた展覧会に併せて刊行された。
✅ グループメンバーによるパンク、ユーモア、詩、怒りなどを交えたメンバー自身の言葉で、彼らの活動の全貌を明らかにする。
✅ 本書では、逮捕、集団暴力、投獄など、非暴力的な活動への報復として経験したことも記録している。また、「Punk Prayer」のような象徴的なパフォーマンスだけでなく、2022年のロシアからの脱出など、これまで公にされていなかった活動についても詳しく紹介している。
さらに読む ⇒現代アート・絵画の販売・通販美術手帖出典/画像元: https://oil.bijutsutecho.com/artbooks/926/1100035600展覧会では、彼らの活動が「ロケーション」「コンテクスト」「リアクション」という視点から分析されているんですね。
特に「リアクション」の部分では、彼女たちが受けた法的処罰や暴力が示されているのが印象的です。
デンマークのルイジアナ近代美術館では、2023年9月から2024年1月にかけて、「VelvetTerrorismPussyRiot’sRussia」という展覧会が開催されました。
この展覧会は、プッシー・ライオットの過去12年にわたる活動を記録したもので、パフォーマンスや映像作品が展示され、彼らの反体制的な姿勢と芸術活動が紹介されました。
展覧会では、プッシー・ライオットの活動は、「ロケーション」「コンテクスト」「リアクション」の3つに分けられ、特に「リアクション」では、彼女たちが受けた法的処罰や超法規的暴力、そして「重大なことは何も起こらなかった」という現状が示されています。
美術館館長のジョン・ゼペテリは、プッシー・ライオットが「警察国家の抑圧と権威主義の装置を創造的なパートナーとして利用し、危うい『悪魔とのダンス』を踊っている」と指摘しています。
これは、彼女たちの活動がロシア政府との危険な駆け引きであり、その代償としてメンバーは大きな苦難を強いられていることを意味しています。
彼らの活動は、権力との危険な駆け引きの中で行われているんですね。それは理解できますが、同時に、彼らが危険な状況に身を置いていることも、少し不安に感じます。
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