ヴェネチア・ビエンナーレ2024、多様性の祭典?オーストラリア先住民アーティストの躍進と国際的な評価アーチー・ムーア金獅子賞受賞と『kith and kin』の展示
2024年ヴェネチア・ビエンナーレは「Foreigners Everywhere」をテーマに、人種、ジェンダー、セクシュアリティを巡る表現が光る。金獅子賞は、アボリジナルアーティスト、アーチー・ムーアの壮大な家系図《kith and kin》が受賞。過去最大11ヶ国が参加し、先住民族の視点が際立つ。テート財団とQAGOMAがムーア作品を取得し、世界へ発信する。文化的多様性と人間のつながりを描く、記憶に残る展覧会。
栄誉に輝くアーティストたち:金獅子賞・特別表彰
今年の金獅子賞は誰に贈られた?
アーチー・ムーア
さて、最後に、栄誉に輝いたアーティストたちの作品と、その背景にあるテーマについて見ていきましょう。

✅ オーストラリアで10月14日に国民投票が行われ、先住民の意見を国会に反映させる「ヴォイス」の設置について賛否が問われます。
✅ 記事では、ブルームに住む日本人と先住民の混血の女性Maxine Chiさんが、ヴォイスの設置に賛成する意見を表明している一方、日本とオーストラリアの歴史的な関係から、国民投票自体が時期尚早であると懸念する意見も紹介されています。
✅ ヴォイスの設置には賛否両論があり、賛成派は先住民の声を恒久的に反映させるための重要な一歩だと主張する一方で、反対派は人種的な区別につながる恐れがあると懸念しています。
さらに読む ⇒出典/画像元: https://www.sbs.com.au/language/japanese/ja/article/bridging-cultures-why-australia-japan-history-looms-large-for-some-voice-voters/170s3tk1o様々なアーティストが各賞を受賞し、それぞれの作品が多様な視点と表現方法で観客を魅了しました。
国別参加部門の金獅子賞はオーストラリア館のアーチー・ムーアが「kithandkin」で受賞しました。
ムーアはオーストラリア先住民の家系図をパビリオン内に描き、6万5千年の歴史と先住民文化の喪失、回復への可能性を表現しました。
特別表彰はコソヴォ館のドルンティナ・カストラティの「The Echoing Silences of Metal and Skin」が受賞しました。
カストラティは、工場労働と女性労働者の身体の摩滅を、クルミの殻や医療器具を用いた彫刻で表現し、観客を作品空間に誘い込むサウンドスケープを生み出しました。
「Foreigners Everywhere」参加アーティスト部門の金獅子賞は、マオリのマタアホ・コレクティブが織物構造のインスタレーションで受賞しました。
彼らの作品は子宮やゆりかごを連想させるスケールと先祖伝来の技法を用いた表現が高く評価されました。
銀獅子賞は、映像と彫刻作品を通じて視線に関するジェンダー化された前提を転覆させたカリマー・アシャドゥが受賞しました。
人生の転機を迎えている私にとって、様々なアーティストの作品から、何か新しいヒントが得られるかもしれないですね。それも楽しみです!
国際的な舞台での先住民美術:『kithandkin』の展示
アーチー・ムーアの『kithandkin』はどんな作品?
複雑な系図作品
今回の記事の締めくくりとして、金獅子賞を受賞したアーチー・ムーアの作品『kith and kin』の国際的な評価と展示についてご紹介します。

✅ クイーンズランド州立美術館&近代美術館 QAGOMA は、オーストラリアと海外のアーティストによる現代美術作品を展示しています。
✅ 一年を通して、映画上映会や特別展が開催されます。
✅ QAGOMAは、ブリスベンのスタンリープレイスにあります。
さらに読む ⇒出典/画像元: https://www.tiqets.com/ja/queensland-art-gallery-gallery-of-modern-art-qagoma-tickets-l249979/『kith and kin』は、テート財団とQAGOMAによって共同取得され、オーストラリア国内外でその価値が認められました。
テート財団とクイーンズランド州立美術館(QAGOMA)は、オーストラリアの先住民族アーティスト、アーチー・ムーアの記念碑的作品『kithandkin』を取得しました。
この作品は2024年ヴェネチア・ビエンナーレで金獅子賞を受賞し、6万5千年、2400世代にわたる家族の歴史を複雑な手書きの系図で表現しています。
この取得は、オーストラリア政府の支援とクリエイティブ・オーストラリアの支援を受けて実現しました。
テート財団とQAGOMAのパートナーシップは、この作品が持つ先住民族の歴史と、人間のつながりの普遍的なテーマに対する深い共鳴を示しています。
この取得は、テート財団が先住民アーティストの作品収集を積極的に行っていることを示すものであり、今後も世界中の先住民コミュニティ出身の現代アーティストの作品を展示していく予定です。
『kithandkin』は、2025年8月からブリスベンにあるQAGOMAで展示されます。
この共同取得は、オーストラリアの先住民族の歴史と永続的な関連性について、世界的な評価と理解を深めることを約束するものです。
作品が世界中で評価されて、多くの人の目に触れる機会が増えるのは素晴らしいですね!
本日は、ヴェネチア・ビエンナーレ2024のテーマと、その中で注目を集めた作品、そしてアーティストたちについてご紹介しました。
今回の展示を通して、多様な視点に触れることができました。
ありがとうございました。
💡 ヴェネチア・ビエンナーレ2024は、多様なテーマとアーティストの視点から、現代社会を映し出す重要な舞台となっています。
💡 オーストラリアのアーキ・ムーアの金獅子賞受賞は、先住民族の文化と歴史に対する新たな評価を示しています。
💡 国際展、そして様々なパビリオンでの受賞作品は、多様な表現方法とテーマを通じて、観客に深い感動と刺激を与えています。