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横尾忠則の現在地?:新作展「連画の河」と「寒山百得」から読み解く、88歳アートの現在地?横尾忠則、絵画の進化とは?:年齢を重ねて表現を深化させるアート

88歳、横尾忠則。磯崎新設計のアトリエから、進化し続ける芸術が生まれる! 「連画の河」展では、故郷の写真から着想を得た連作が、川の流れのように自己を解き放ち、多様な世界を創造する。 肉体的な変化を新たな表現様式とし、想像力はさらに加速。 東京国立博物館では「寒山拾得」シリーズの新作も発表。 横尾忠則の、自由奔放なアートの旅を体感せよ!

横尾忠則の現在地?:新作展「連画の河」と「寒山百得」から読み解く、88歳アートの現在地?横尾忠則、絵画の進化とは?:年齢を重ねて表現を深化させるアート

📘 この記事で分かる事!

💡 横尾忠則氏の新作展『連画の河』では、写真から着想を得て自己と対話する制作過程と、そこから生まれる多様なイメージを紹介。

💡 東京国立博物館 表慶館で開催される『寒山百得』展では、東洋絵画の伝統を現代的に再解釈した、横尾氏の自由奔放な作品世界に触れる。

💡 年齢を重ねても衰えを感じさせない横尾氏の創作意欲と、常に新しい表現に挑戦し続ける姿勢を探求します。

さて、本日は横尾忠則氏の最新の活動に焦点を当て、氏の創造性の源泉に迫っていきます。

まず、今回の記事でご紹介する内容を3つのポイントにまとめました。

横尾忠則のアトリエと制作

88歳の横尾忠則が新作制作で語る、年齢を重ねることで生まれた変化とは?

自然なデフォルメによる新たな表現

横尾忠則氏が、年齢を重ねながらも表現を深めている様子が印象的です。

肉体的な変化を自身の様式として受け入れ、新たな表現を生み出す姿勢に感銘を受けました。

横尾忠則インタビュー】描くことが、生きること/

公開日:2025/05/14

横尾忠則インタビュー】描くことが、生きること/

✅ 横尾忠則は88歳にしてなお精力的に絵画制作を続け、年齢を重ねることで新たな表現を獲得し、衰えを感じながらもそれを自身の様式として受け入れている。

✅ 加齢による体の衰えを受け入れ、ハンディキャップをハンディキャップとして捉えず、自然体の姿として受け入れることで、新たな表現の可能性を見出している。

✅ 年齢を重ねることで、想像力は枯渇するどころか活性化し、肉体的な限界を超えて、より深遠な表現に挑戦し続けたいという強い意志を持っている。

さらに読む ⇒出典/画像元: https://www.esquire.com/jp/culture/interview/a64697264/88-and-unstoppable-prt/

横尾氏の年齢を重ねるごとに想像力が活性化するという言葉に、非常に共感しました。

加齢をネガティブに捉えず、表現の深化へと繋げる姿勢は、多くの人に勇気を与えますね。

88歳の横尾忠則は、世田谷区成城のアトリエで精力的に活動を続けている。

アトリエは建築家・磯崎新の設計で、見晴らしの良いベランダ付き。

天井が高く、膨大な蔵書が並ぶ書棚もある。

横尾は、長辺2mを超える絵を60点以上描いた「連画の河」展のために、約1年かけて制作に取り組んだ。

彼は、1点描き終わると次の発想が生まれるという独自の制作方法を説明し、絵は未完であると述べている

年齢を重ねても衰えるものと、逆に立ち上がるものがあるという横尾は、加齢による変化をハンディキャップではなく自然体と捉え、自身の作品も身体的な変化に伴い自然に変わっていくと語る。

絵を前にして意識的にデフォルメするのではなく、身体の変化がもたらすデフォルメを自身の様式とすることで、新たな表現を獲得していると語っている。

横尾は、年齢を重ねるほど想像力は活性化すると信じ、北斎の言葉を例に挙げながら、老いによる衰えではなく、新たな可能性を感じていることを表明している。

彼は、考えや言葉から自由になり、技術にも頼らず、自分自身の表現を追求したいと考えている。

年齢を重ねる程に深まる表現、素晴らしいですね。固定観念にとらわれず、常に新しい表現に挑戦する姿勢は、私たちも見習うべき点があるように感じました。

「連画」の誕生と発展

横尾忠則の「連画」はどんな作品?

複数人で分担して描いた作品群

「連画」シリーズは、横尾氏のイマジネーションがどのように展開していくのか、とても興味深いですね。

鑑賞者がその流れを追体験できるというのも魅力的です。

歳を迎えた、横尾忠則の新たな挑戦。連歌するように絵を描き続けた『横尾忠則連画の河』が世田谷美術館にて開催中

公開日:2025/05/18

歳を迎えた、横尾忠則の新たな挑戦。連歌するように絵を描き続けた『横尾忠則連画の河』が世田谷美術館にて開催中

✅ 横尾忠則の新作油彩画約60点を展示する「横尾忠則 連画の河」展の見どころを紹介。横尾が故郷の西脇で同級生と撮った一枚の写真が制作のきっかけとなり、そこから64点の連作を描き出している。

✅ 「連画」シリーズでは、同級生たちが様々なキャラクターに変身していく過程で、メキシコをテーマとした作品や、壺というモチーフが登場する。これらのモチーフの出現には、横尾自身のイメージや出会いが影響している。

✅ 「連画」は、横尾が自身の絵を通して「しりとり」のように展開させていく連作で、鑑賞者はその流れを追うことで、横尾のイマジネーションの変遷を体感できる。壺や水、Y字路など、作品に現れるモチーフから様々な解釈が生まれる。

さらに読む ⇒出典/画像元: https://www.pen-online.jp/article/018784.html

横尾氏が、自己を解放し、変幻自在な自己と出会い続けるという「連画」のコンセプトに惹かれます。

制作過程を時系列で展示することで、鑑賞者もその旅に参加できる点が面白いです。

横尾忠則の最新シリーズ「連画」は、和歌の連歌になぞらえ、複数人で分担して描いた作品群。

前日の自分が描いた作品を他人の絵のように眺め、それをきっかけに新たな作品を生み出すことで、一貫したアイデンティティから解放され、変幻自在な自己と出会い続ける。

今回の起点となったのは、1970年に故郷・西脇で同級生たちと撮影した記念写真

約30年後の2023年、この写真に再び向き合うことで「連画」は動き出した。

展覧会は、写真をもとに描いた《記憶の鎮魂歌》からスタート。

写真の中の同級生たちは、作品の中では筏に乗って川下りをはじめ、さらにその後の作品では、ピカソやデュシャンといった美術史上の巨匠たちへと変化していく。

制作に悩み筆が止まりかけた痕跡も、逆に勢いよくイメージが流れはじめるようすも、そのまま残されている。

約2年間の制作過程を時系列どおりに並べた展示は、横尾の「連画の河」の旅を追体験するような感覚を鑑賞者に提供する。

「連画」という制作方法、面白いですね。しかし、写真がきっかけで連作が生まれるとか、巨匠たちのモチーフが出てくるあたり、少しスピリチュアルな印象も受けますね。科学的な根拠はありますか?

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横尾忠則、二つの展覧会!「寒山百得」新作102点と、88歳の今を描く「連画の河」。 圧倒的創造力と、自由なイマジネーションを体感せよ!