石内都:写真を通して見つめる記憶と女性性、そして世界 (写真家、アルル国際写真フェスティバル)石内都の受賞とアルル国際写真フェスティバルでの活躍
写真家・石内都、ケリング「ウーマン・イン・モーション」アワード受賞!横須賀、母、そして被爆地ヒロシマ…彼女の写真は、傷と記憶を写し、社会に問いかける。2024年、アルル国際写真フェスティバルで個展開催。日本人女性写真家を支援するケリングと共に、写真を通して女性の視点と歴史を再認識する。
💡 石内都は、写真を通して自身の過去や記憶、そして社会における女性の存在を探求し、世界的に高い評価を受けている写真家です。
💡 石内都は、ケリング「ウーマン・イン・モーション」フォトグラフィー・アワードを日本人で初めて受賞し、アルル国際写真フェスティバルで個展を開催しました。
💡 アルル国際写真フェスティバルでは、石内都の受賞を記念し、日本の女性写真家を中心とした複数の展覧会が開催され、注目を集めています。
それでは、石内都の写真家としての出発点から、彼女の作品が持つ意味、そして現在の活動について、詳しく見ていきましょう。
石内都:写真家としての出発点
石内都の写真家としての原点は?
傷を癒すため
石内都は、写真を通して自身の過去や記憶、そして社会における女性の存在を探求し、世界的に高い評価を受けている写真家です。

✅ 石内都は横須賀米軍基地の近くに生まれ育ち、基地の存在が自身の女性としての意識に大きな影響を与えたと語っています。横須賀での幼少期は、基地の街特有の雰囲気や事件を通して、女性としての困難や危険を目の当たりにした経験が、後の作品にも影響を与えたと説明しています。
✅ 石内都は自身のデビュー作「横須賀ストーリー」で横須賀を題材に選び、写真を通して自身の過去や記憶を再確認しようとしました。横須賀は石内都にとって、あらゆる感情の源泉であり、その街を写真に収めることで、自身の表現を前進させようとしたと考えられます。
✅ 石内都は「エンドレス・ナイト」で赤線地帯に出会い、女性の体の価値や機能について深く考えさせられたと語っています。この経験は、石内都にとってリブ的なテーマを作品に取り入れるきっかけとなり、女性としての立場や社会における女性の認識について考察を深めることに繋がったと考えられます。石内都は、女性写真家として社会から認められるために、強い意志を持って自身の表現を追求し続ける必要性を訴えています。
さらに読む ⇒出典/画像元: https://www.sfmoma.org/watch/%E7%9F%B3%E5%86%85%E9%83%BD%E3%81%AE%E6%A8%AA%E9%A0%88%E8%B3%80%E7%B1%B3%E8%BB%8D%E5%9F%BA%E5%9C%B0%E3%81%AE%E8%BF%91%E3%81%8F%E3%81%A7%E9%81%8E%E3%81%94%E3%81%97%E3%81%9F%E5%B9%BC%E5%B0%91%E6%99%82/石内都の生い立ちと、そこから写真家としての道を歩み始めた背景には、深い人間性や社会への問題意識が感じられます。
石内都は、横須賀の基地の街で育ち、アメリカ軍の影響を強く受け、女であること、基地の街の特殊な環境、戦争の影など、複雑な思いを抱えていました。
写真家としての出発点は、横須賀での経験を写真に託すことで、自身の傷を癒したいという強い思いからでした。
彼女は、写真の技術を独学で学び、暗室作業の面白さから写真を続けてきました。
写真を通して、自身の経験や社会における問題点を表現することで、人々に真実や記憶を再認識させようとしています。
石内都の作品は、写真という表現手段を通して、個人的な経験、社会問題、歴史、人間の存在、そして記憶の儚さを深く追求しています。
彼女の作品は、観客に深い感動と共感を呼び起こし、写真を通して世界を異なる視点から見つめるきっかけを与えてくれます。
写真を通して、自身の傷を癒し、社会へのメッセージを発信する姿は、とても美しいですね。何か救われるような気持ちになります。
石内都:ケリング「ウーマン・イン・モーション」フォトグラフィー・アワード受賞
石内都がケリング賞を受賞した理由とは?
女性史への貢献と作品の影響力
石内都は、ケリング「ウーマン・イン・モーション」フォトグラフィー・アワードを日本人で初めて受賞し、国際的な評価を不動のものとしました。
公開日:2024/03/27

✅ 写真家の石内都が、ケリング(KERING)とアルル国際写真フェスティバルより「ウーマン・イン・モーション(Women In Motion)」フォトグラフィー・アワードを受賞。
✅ 受賞を記念して、アルルのサル・アンリ・コントで石内都の個展を開催。同時に、日本人女性写真家のグループ展「アイム ソー ハッピー ユー アー ヒア(I’M SO HAPPY YOU ARE HERE)」と「キョウトグラフィー」による「トランセンデンス(TRANSCENDENCE)」展も開催。
✅ 石内都は「アパートメント(APARTMENT)」で木村伊兵衛写真賞、「マザーズ(MOTHER’S)」でヴェネチア・ビエンナーレ日本館代表作家、被爆者の遺品を撮影した「ひろしま」で国際的な評価を受けるなど、数々の賞を受賞している。
さらに読む ⇒出典/画像元: https://www.wwdjapan.com/articles/1784340石内都の作品は、写真を通して、戦争、喪失、そして女性の生き方といった普遍的なテーマを表現し、見る者に深い感動を与えます。
2024年、石内都はケリング「ウーマン・イン・モーション」フォトグラフィー・アワードを日本人として初めて受賞しました。
同賞は、女性の立場向上に貢献する女性に贈られるもので、石内の作品を通して、戦争を経験した日本の歴史や、個人が受けた影響、特に歴史の物語の中で見過ごされてきた女性たちと向き合い続ける姿勢が評価されました。
受賞スピーチでは、自身の代表作である《Mothers》シリーズの制作背景を語りました。
石内は、亡くなった母親との関係を修復するため、母親の遺品を撮り始めたことが始まりだったと明かし、作品が持つ普遍性と、展示場所や見る人の気持ちによって解釈が変化していくことを強調しました。
また、メキシコの女性画家フリーダ・カーロの遺品を撮影した《FridabyIshiuchi》や、原爆で亡くなった人々の遺品を写した《ひろしま》シリーズについて、母との関係性を通して制作に至った経緯を語りました。
特に《ひろしま》シリーズについては、被爆者の遺品と向き合いながら撮影してきた自身の制作について触れ、世界で起きている戦争と、現実のものとなりつつある核の恐怖に言及しました。
石内は、被爆地が抱えてきた痛みを理解できない一方で、自分が感じること、イメージできることを写真で伝えていく姿勢を表明し、授賞式では「ひろしま」という四文字を世界に知らしめ、唯一の被爆国である日本の現状を訴えました。
写真を通して、個人の記憶や感情を表現し、それが世界中で評価されるというのは、素晴らしいですね。しかし、彼女の作品が科学的な根拠に基づいているとは、私には到底思えません。
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石内都がアルル国際写真フェスティバルで受賞! 日本人女性写真家の力作が集結。写真を通して、女性の才能と社会での役割を称えます。