2024年 ヨーロッパ美術展覧会巡り:ヴェネチア・ビエンナーレを中心に、多様なテーマの展示が目白押し?ヴェネチア・ビエンナーレ2024:移民、女性アーティスト、そして先住民族の視点。
2024年のヨーロッパ美術界は熱狂の渦!ヴェネチア・ビエンナーレでは、移民や世界情勢をテーマに、多様なアーティストの作品が観客を魅了。アンゼルム・キーファーの大規模展や、オノ・ヨーコの個展など、各地で革新的な展示が目白押し。一方、オーストラリア館代表作家の降板劇も。アートが社会問題と交錯する、刺激的な一年を凝縮。
ビエンナーレのテーマと受賞作品:先住民族の視点
金獅子賞、オーストラリア代表の作品は何?
アーチー・ムーア《kith and kin》です。
続いて、ヴェネチア・ビエンナーレのテーマと、受賞作品について解説します。
先住民族の視点に焦点を当てた作品が注目されています。

✅ ヴェネツィア・ビエンナーレは、世界最古の国際美術展の一つで、2年に一度ベネツィアで開催され、現代美術や建築など様々な分野の芸術作品が展示される。
✅ 第60回となる今回のテーマは「Stranieri Ovunque / Foreigners Everywhere(どこにでもいる外国人)」で、多様性やアイデンティティに関するテーマが扱われている。
✅ マタアホ・コレクティブのインスタレーション《Takapau》が金獅子賞を受賞し、マオリの伝統的な出産用マットにインスパイアされた作品で、6キロのトラック用ストラップなどを用いて制作された。
さらに読む ⇒アートのイロハが分かるメディア イロハニアート出典/画像元: https://irohani.art/study/24381/マタアホ・コレクティブの金獅子賞受賞、オーストラリア館のアーチー・ムーアの展示、どちらも素晴らしいですね。
先住民族の歴史や文化を尊重する姿勢が感じられます。
2024年のヴェネチア・ビエンナーレでは、日本から毛利悠子が参加し、ウクライナやパレスチナの状況を踏まえた展示が注目を集めた。
また、ナショナル・パビリオンの金獅子賞は、オーストラリアのアーチー・ムーアが受賞。
アボリジナルのルーツを持つムーアは、インスタレーション作品《kith and kin》を発表。
黒い壁面にチョークで無数の名前が書かれた巨大な家系図は、先住民族の歴史とアイデンティティへの深い探求を示した。
展示空間中央には、国家による先住民族の検死に関する書類が置かれ、歴史的な問題への意識を喚起した。
総合ディレクターのアドリアーノ・ペドロサは、人種、ジェンダー、セクシュアリティをテーマにした展覧会を多く企画し、審査陣にも専門家が名を連ねた。
私、最近、自分のルーツについてすごく考えるようになったんです。先住民族のアーティストの作品、すごく心に響きそう。自分のアイデンティティとか、生き方とか、何かヒントが見つかるかもしれない。
その他の展覧会:ドイツ、フランス、イギリスの注目展示
抽象絵画の先駆者?カンディンスキーと誰の作品を比較?
ヒルマ・アフ・クリントです!
次に、ヨーロッパ各地で開催されている、その他の展覧会について見ていきましょう。
ドイツ、フランス、イギリスの注目の展示をご紹介します。
公開日:2023/06/07

✅ カンディンスキーは、経済・法律を学んだ後、画家を志しミュンヘンへ。第一次世界大戦後、社会主義レアリスムを嫌いドイツのバウハウスへ移ります。
✅ 抽象絵画理論を体系化し、計算された美を追求。制作はコンポジション、円、具体芸術の時代へと変化しました。
✅ 本作はコンポジションの時代の作品で、幾何学的要素と色面を意識し、様々な形が調和し、見る者の想像力を刺激します。
さらに読む ⇒笠間日動美術館|公益財団法人日動美術財団|笠間市出典/画像元: https://www.kasama-nichido-museum.com/post/%E6%B4%BB%E6%B0%97%E3%81%82%E3%82%8B%E4%BC%91%E6%81%AF-%E3%83%AF%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC%EF%BC%881866-1944%EF%BC%89カンディンスキーとヒルマ・アフ・クリントの比較展示、李禹煥の回顧展、オノ・ヨーコの大規模個展...どれも興味深いですね。
抽象絵画の進化や、革新的な芸術家の思想に触れられそうです。
ドイツでは、デュッセルドルフのノルトライン=ヴェストファーレン20世紀美術館で、ワシリー・カンディンスキーとヒルマ・アフ・クリントの作品展が開催され、抽象絵画の先駆者たちの作品を比較できる機会となった。
ベルリンのハンブルガー・バーンホフ現代美術館では、李禹煥の回顧展も開催され、日本のもの派を代表する彼の50年間の作品が展示された。
フランスのパリ、ブルス・ド・コメルスでは、「アルテ・ポーヴェラ」展が開催され、イタリアの芸術運動の国際的な影響を探求。
イギリスのロンドン、テート・モダンでは、オノ・ヨーコの大規模個展が開催され、200点以上の作品を通して彼女の芸術への革新的なアプローチを紹介した。
抽象絵画って、なんだか深遠で、宇宙的なものを感じますよね。カンディンスキーとか、すごく惹かれる。あと、オノ・ヨーコさんの展示も、きっと魂が解放されるような体験になりそう。
論争と降板:芸術と社会の関係性
ヴェネチア・ビエンナーレ降板、その理由は?
人種差別批判とイスラエル大使館支援ボイコット。
最後に、芸術と社会の関係性について、論争と降板というテーマでお話します。
芸術表現の自由と、社会的な責任について考えさせられる問題ですね。

✅ 2026年のヴェネチア・ビエンナーレ オーストラリア館の代表作家に選出されたハーレド・サブサビ氏が、過去の作品内容を巡る国内での論争を受け、選考発表からわずか6日で降板となった。
✅ 問題となったのは、サブサビ氏のビデオインスタレーション作品《You》で、レバノンのシーア派組織ヒズボラの指導者ハサン・ナスララ氏の姿が引用され、一部メディアから「人種差別的」との批判が上がった。
✅ クリエイティブ・オーストラリアは、芸術表現の自由を擁護しつつも、「分断的な議論」が国民の支持にリスクをもたらすとして、作家とキュレーターの降板を決定。一方、この決定には抗議の声も上がっている。
さらに読む ⇒(アートニュースジャパン)出典/画像元: https://artnewsjapan.com/article/23804芸術作品が社会的な問題と関わり合い、様々な意見が出ること、これは避けて通れない問題ですね。
アーティストの降板という決断は、非常に重い問題です。
第61回ヴェネチア・ビエンナーレのオーストラリア館代表作家に選出されたハーレド・サブサビは、作品に対する国内の批判を受けて降板する事態となった。
レバノン出身のサブサビは、2007年のビデオインスタレーション作品《You》が問題視され、一部メディアから人種差別への批判を受けた。
さらに、2022年のシドニー・フェスティバルでのイスラエル大使館の支援をボイコットしたことも非難の対象となった。
SNS上での批判を受け、クリエイティブ・オーストラリアはチームの降板を決定。
この決定に対しては、2007年のヴェネチア・ビエンナーレで金獅子賞を受賞したパレスチナ人アーティスト、エミリー・ジャシルが批判する一方で、サブサビの作品が、内戦後のオーストラリアでの人種差別への応答としての側面も指摘されている。
これは、芸術作品が社会的な問題と複雑に関わり合い、多角的な視点から評価されることの重要性を示している。
うーん…表現の自由は大事だけど、人種差別的な表現は許されないってこと? でも、その線引きって難しいですよね。誰かを傷つける意図がなくても、結果的にそうなってしまうこともあるし。難しい問題ですね…。
今回の記事では、2024年のヨーロッパ美術展覧会について、ヴェネチア・ビエンナーレを中心に、様々な角度からご紹介しました。
多様なテーマと、芸術の可能性を感じることができました。
💡 ヴェネチア・ビエンナーレは、移民、女性アーティスト、先住民族など多様なテーマを取り上げ、現代社会の問題を反映。
💡 ヨーロッパ各地で開催される展覧会では、様々なアーティストの作品を通して、芸術の多様性と深さを体験できる。
💡 芸術表現の自由と社会的な責任について考えさせられる問題も発生し、多角的な視点での議論が求められる。