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環境問題とアートの融合? ジュリア・クレツレスクのファイバーアート作品が問いかけるものとは?デッドストック素材を纏うアーティスト、ジュリア・クレツレスクの視点

環境問題と身体感覚を融合させた、新進気鋭のファイバーアーティスト、ジュリア・クレツレスク。自動車工場のデッドストック素材を再利用し、手作業で生み出される作品は、まるで呼吸をしているかのよう。バイク用プロテクターや中世の鎧から着想を得た、幾何学的で官能的なフォルムは、視覚だけでなく触覚をも刺激する。大量廃棄される素材への問題提起と、人間的な温かさを両立させた、唯一無二の表現世界。

環境問題とアートの融合? ジュリア・クレツレスクのファイバーアート作品が問いかけるものとは?デッドストック素材を纏うアーティスト、ジュリア・クレツレスクの視点

📘 この記事で分かる事!

💡 オーストラリアの15歳が使い捨てプラスチック削減を訴える活動を行うなど、環境問題への意識が高まっている。

💡 ジュリア・クレツレスクは、自動車工場のデッドストック素材を再利用し、ファイバーアートを制作している。

💡 彼女の作品は、身体的な感覚に訴えかけ、大量廃棄される石油系合成繊維への問題提起を行っている点も特徴的です。

今回は、環境問題への問題意識と、手仕事への回帰をテーマにした、アーティスト、ジュリア・クレツレスクの作品について掘り下げていきます。

環境問題への意識と手仕事への回帰

デッドストック素材でアート?ジュリアの作品は何が違う?

手作業と環境問題への意識が特徴!

環境問題への意識の高まりは、世界中で見られます。

特に若い世代を中心に、使い捨てプラスチック削減や環境保護への関心が高まっています。

本章では、その一例をご紹介します。

15歳の環境活動家 ゛Plastic free Boy゛がオーストラリアで話題に
15歳の環境活動家 ゛Plastic free Boy゛がオーストラリアで話題に

✅ オーストラリアの15歳のアールリアン・エーケル君が「Plastic Free Boy」として、使い捨てプラスチック削減を訴える活動を行っており、グレタ・トゥーンベリをインスピレーション源としている。

✅ 彼は、映画制作やビーチクリーンアップ、地元の政治家との対話などを通して、海洋プラスチック問題への意識を高める活動をしており、グレートバリアリーフをテーマにした新作映画「Plan B」を制作中である。

✅ 彼は、学校での上映会やツアーを通じて、使い捨てプラスチック削減、サンゴ礁保護など、環境問題に対する解決策を提示し、人々の行動を促すことを目指している。

さらに読む ⇒SDGsガイド|SDGsのガイドサイトです出典/画像元: https://sdgsguide.com/2022/03/22/15%E6%AD%B3%E3%81%AE%E7%92%B0%E5%A2%83%E6%B4%BB%E5%8B%95%E5%AE%B6-plastic-free-boy%E3%81%8C%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%81%A7%E8%A9%B1%E9%A1%8C/

アールリアン・エーケル君の活動は、非常に意義深いですね。

若者の行動が、世界を動かす力になることを示しています。

ジュリア・クレツレスクは、環境問題への強い意識から、自動車工場のデッドストック素材であるシートカバーを再利用したファイバーアートを制作する新進アーティストです。

彼女は、コンピュータグラフィックのスピード感に嫌気が差し、手作業による「呼吸する間合い」を求めて制作を開始しました。

ブカレスト国立芸術大学でグラフィックアートの博士号を取得しており、手作業で制作することに喜びを見出しています。

彼女の作品は、大量廃棄される石油系合成繊維への問題意識から生まれました。

素晴らしいですね! グレタ・トゥーンベリさんのように、行動を起こす若者が増えることは、希望を感じます。私も何かできることから始めてみたいと思いました。

素材と初期の作品

クレツレスクの作品、素材の変遷は? 初期は?

安価なシートカバー→ピンスト→フォード→現在

ジュリア・クレツレスクの作品は、素材へのこだわりから生まれています。

彼女が使用する自動車工場のシートカバーは、大量廃棄される運命にある素材です。

本章では、素材と初期の作品についてご紹介します。

ジュリア・クレツレスクが合成繊維でセクシーに表現する、身体への眼差しと効率化への反抗【New Talent 2025】
ジュリア・クレツレスクが合成繊維でセクシーに表現する、身体への眼差しと効率化への反抗【New Talent 2025】

✅ ジュリア・クレツレスクは、自動車工場のシートカバーを再利用し、手作業で複雑に仕上げたファイバーアートを制作。作品は、ボンデージを想起させるストラップや人間の胴体ほどの大きさで、ファウンドオブジェと手作りのものの区別が難しいほどの職人技が特徴。

✅ クレツレスクは、大量廃棄される石油系合成繊維の問題を憂慮し、手作業による制作を通して「呼吸する間合い」を見出した。彼女の作品は、ファッションへの愛着と、これ以上新たな服を増やしたくないという思いから、デッドストックの素材を使用。

✅ 自身の健康問題や自動車産業への関心から、ライディングウェアや中世の鎧にインスピレーションを得て、身体的な感覚に訴えかける作品を制作。ミニマルアートとは異なり、冷たさではなく、素材の感触にもこだわっている。

さらに読む ⇒ ARTnews JAPAN(アートニュースジャパン)出典/画像元: https://artnewsjapan.com/article/33888

なるほど、デッドストック素材の再利用という点に、現代的な意義を感じます。

大量生産・大量消費へのアンチテーゼのようにも見えますね。

クレツレスクは、故郷ルーマニアの自動車工場から入手した安価な合成繊維のシートカバーを素材としています

初期の作品では、ピンストライプのコットンを用いて、両性具有的な抽象作品を制作していました。

その後、フォードのシートカバーを使うようになり、デッドストック素材を用いた抽象的な作品を経て、現在の作品へと繋がっています。

シートカバーの再利用というアイデアは面白いですが、実際に作品として成立するのか、少し懐疑的に見ています。写真だけでは実感が湧きません。

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バイクプロテクターや鎧から着想を得た、身体感覚を刺激するアート。幾何学的な造形と手仕事の温かさが、鑑賞者の心と身体に響く。