フランシス・ベーコン展とは?バリー・ジュール・コレクションから読み解く、20世紀を代表する画家の世界?バリー・ジュール・コレクションによる、フランシス・ベーコン展の魅力
20世紀を代表する画家、フランシス・ベーコン。没後20年、日本で初公開となる秘蔵コレクションから、肉声テープ、未発表素描、破壊された作品まで、その創作の秘密に迫る。身体表現を追求した画家の、知られざる姿とは?真贋を巡る議論も白熱! ベーコンの新たな世界が、今、開かれる。
ベーコンの制作過程に迫る:ドローイングと破壊された作品群
ベーコンは下絵を描かなかったって本当?
資料で準備運動がわかる
ベーコンの制作過程は長年謎に包まれていましたが、今回の展覧会で、その一端を垣間見ることができそうです。

✅ フランシス・ベーコンは、20世紀を代表する画家であり、独自の具象画で知られています。彼の制作過程は、長年謎に包まれていましたが、今回の展覧会では、亡くなる直前にベーコンが親しい友人であるバリー・ジュールに遺贈した、彼の制作現場から生まれた貴重なドローイングや資料約130点が公開されます。
✅ 展覧会では、「Xアルバム」と呼ばれるドローイングのグループや、彼の制作過程を垣間見ることができる「ワーキング・ドキュメンツ」など、ベーコンの制作に対する興味深い洞察を提供する資料を展示しています。
✅ これらの資料は、ベーコンが絵画制作において、どのようにイメージを構想し、それを形にしていったのかを明らかにするだけでなく、彼の芸術に対する多岐にわたる関心や影響について理解を深める機会を提供します。
さらに読む ⇒ファッションブランド・デザイナー情報出典/画像元: https://www.fashion-press.net/news/67436作品破壊を経て代表作が生まれたというエピソードは、芸術家の葛藤と進化を感じさせますね。
どんな思いで作品を制作していたのか、想像力を掻き立てられます。
ベーコンは、作品の下絵となるドローイングを描かないと言われていましたが、本展で公開された資料群からは、図像を認識して選んでスクラップしたり、有名人のポートレイトを切り貼りしたりする行為が、油彩画を描くための準備運動だったことがわかります。
資料群からは、人体や筋肉や動きへの関心が読み取れ、それが後の飛躍的な絵画の展開への助走であることがわかります。
本展で最も感傷を呼び起こすのは、10点の絵画が並ぶパートです。
ベーコンは2度の作品破壊を経て、世に知られる代表作を制作しました。
本展では、その破壊された作品群を知ることで、ベーコンの作品に対する理解を深めることができます。
(女性)作品を破壊したという事実に、何かすごく勇気をもらえます。表現することって、そういうことなのかもしれない、と。
謎に包まれた「バリー・ジュール・コレクション」:真贋問題と衝撃的な内容
フランシス・ベーコンの「バリー・ジュール・コレクション」は、彼の伝説を覆す衝撃的な存在ですが、なぜ真贋論争が巻き起こっているのでしょうか?
著作権管理団体の疑義のため
テート・ブリテンの決定は、美術界に大きな波紋を呼んでいます。
今後の動向が注目されます。

✅ テート・ブリテンが、フランシス・ベーコンと親しかったバリー・ジュール氏から寄贈された膨大な作品群を返却することを発表した。
✅ 返却の理由は、寄贈された作品の真贋について疑いが生じたためで、美術史家による調査の結果、寄贈品の特徴や質に疑わしい点が見つかったとされる。
✅ ジュール氏は、寄贈された作品の中に偽物はないと主張しており、テートの決定に反発している。また、テートとの対立を受けて、別の作品群をポンピドゥー・センターに寄贈する交渉を進めている。
さらに読む ⇒(アートニュースジャパン)出典/画像元: https://artnewsjapan.com/article/265ベーコンの死後に発見されたコレクションは、彼の謎めいた側面を浮かび上がらせています。
真贋問題も含め、今後の研究に期待したいですね。
フランシス・ベーコンが死の10日前に親友バリー・ジュールに託した「バリー・ジュール・コレクション」は、千点を超える作品群で、生前ベーコンが公言していた「ドローイングは描かない」「デビュー前の作品は破棄した」という伝説を覆す、衝撃的な存在として注目を集めています。
コレクションには、ベーコンが描いたとされる絵画、デッサン、手紙、公文書、肉声テープなどが含まれており、特に肉声テープは、ベーコンがシュルレアリズム団体や交流のあった芸術家について語る、貴重な記録となっています。
しかし、ベーコンの著作権管理団体「フランシス・ベーコン・エステート」は、コレクションの作品群がベーコンのものかどうか疑問視し、「ベーコン以外の誰かが制作したものと信じている」という見解を示しています。
一方、ベーコンの熱心なファンや研究者は、コレクションの作品が既発表の作品に通じるものを感じ、真贋をめぐる議論が巻き起こっています。
(若者)ベーコンの作品は、魂を揺さぶるような力強さがありますよね。真贋云々だけでなく、作品そのものから何かを感じ取ることが大切だと思います。
新たな解釈を生み出す「バリー・ジュール・コレクション」と展覧会の評価
ベーコン展で注目すべき点は?
身体表現と解釈の深化
展覧会では、レスリー・キーの写真や松浦寿夫氏のレビューを通して、ベーコンの作品に対する新たな視点を得ることができるようです。
身体表現をテーマにした、新しい解釈に期待が高まります。
ベーコンの作品は、様々な角度から考察することで、新たな発見があるかもしれません。
2021年1月には、神奈川県立近代美術館で「フランシス・ベーコン:バリー・ジュール・コレクションによる」と題した展覧会が開催され、コレクションが日本で初めて公開されました。
写真家・レスリー・キーは、学生時代にベーコンの作品に衝撃を受け、今回の展覧会を通して、ベーコンの新たな側面を発見したと語っています。
バリー・ジュール・コレクションは、ベーコンの真贋問題、初期作品の謎、そして彼が秘めたる創作過程を解き明かす可能性を秘めており、今後も大きな注目を集めそうです。
松浦寿夫氏によるフランシス・ベーコン展のレビュー。
東京国立近代美術館での30年ぶりの回顧展は、33点の作品群を展示し、明確な批評的視点から構成されています。
特に、ベーコンの作品における「身体」を主題とする三つのブロックと「エピローグ」の構成が注目されます。
特に、「エピローグ」で取り上げられる土方巽とウイリアム・フォーサイスの身体表現は、ベーコンの思考の直接的な波及であり、従来のベーコン解釈に対する新しい視点を提供します。
フォーサイスのダンス作品は、ベーコンの最後の未完成作品を題材にしており、ペーター・ヴェルツによる映像化によって、身体に生起する出来事そのものに注目できます。
この新たな解釈は、ベーコンの作品が単に身体の歪曲化ではなく、身体に作用する外的な力の場を表現していることを示唆しています。
(大人)写真家や評論家による多様な視点からの評価があるのは、作品を深く理解する上で重要ですね。科学的な視点からも、作品を分析する余地があるかもしれません。
今回の記事では、フランシス・ベーコン展の魅力と、バリー・ジュール・コレクションに関する情報を中心にご紹介しました。
皆様もぜひ展覧会へ足を運んでみてください。
💡 フランシス・ベーコン展では、代表作から貴重な資料まで、彼の芸術世界を堪能できる。
💡 バリー・ジュール・コレクションは、ベーコンの制作過程や新たな解釈のヒントを与えてくれる。
💡 展覧会を通して、ベーコンの作品に対する多様な視点と深い理解を得ることができる。