アート市場はどうなる？2023年の動向と富裕層コレクターの傾向？富裕層コレクターの行動と市場の見通し

収集家の動機と市場への関わり方

Chapter-3では、収集家の動機と市場への関わり方について解説します。

世界のアートマーケットのいまを総まとめ。年の動向と年の展望をアート・バーゼルとのレポートをもとに解説

✅ 2023年のアートマーケットは、2021年以降初めての下降を記録し、総売上高は前年比4%減の650億ドルとなりました。これは、金利上昇、インフレ、世界情勢の不安定化など、経済的な要因が影響していると考えられています。

✅ 市場シェアはアメリカが42%で首位を維持していますが、売上は世界的に鈍化しています。一方で、中国は前年比9%の売上増加を記録し、市場シェア2位に返り咲きました。これは、2022年の秋オークション中止による在庫がすべて売却されたことなど、上半期の反動需要が大きく影響していると考えられています。

✅ 2023年は、高価格帯のディーラーよりも中・小規模のディーラーの売上増加が目立ち、市場全体がより慎重な姿勢になっていることがわかります。また、社会・政治的な作品に対する関心が薄れている一方で、絵画や彫刻、ドローイングなど、美的価値がわかりやすい作品への需要が高まっていることも報告されています。さらに、女性アーティストの作品の需要が高まっている傾向も見られます。

さらに読む ⇒出典/画像元: https://www.tokyoartbeat.com/articles/-/artmarket-basel-news-202403

経済的な要因が市場に影響を与えている中でも、収集家は内面的動機に基づいて活動を続けているのは興味深いですね。

転売なども意識しているようです。

調査は、経済と政治の不透明感の中でも、収集家は積極的にアート市場に関わり、自己認識や芸術作品から得られる喜びといった内面的動機に基づいて収集活動を行っていることを明らかにしています。

また、収集家は収集活動の金銭的な影響を意識しており、転売や借入、クレジットなどの手段を活用しています。

自分の価値観と向き合い、本当に欲しいものを手に入れる。それが、お金だけではない豊かさにつながるのかもしれませんね。

アート市場の活性化と収集家の支出傾向

Chapter-4では、アート市場の活性化と収集家の支出傾向について解説します。

富裕層女性のアート向け支出、年も男性を上回るペース

✅ 2023年上半期、富裕層女性の美術品購入額が男性を上回った。これは過去2年で継続的なトレンドであり、女性のコレクション支出は前年総額をすでに超えている。

✅ アート・バーゼルとUBSによる調査では、富裕層女性の美術品購入額の中央値は男性よりも高いことが明らかになった。ただし、男性は高額な支出をする人が多く、平均支出額では男性の方が高い。

✅ 調査では、女性コレクターの増加にもかかわらず、購入される作品の過半数は依然として男性アーティストによるものであることが示されている。しかし、年間1000万ドル以上の支出をするコレクターは、女性アーティストの作品を購入する傾向があり、その割合は近年増加している。

さらに読む ⇒公式サイト（フォーブスジャパン）出典/画像元: https://forbesjapan.com/articles/detail/67899

女性コレクターの支出額が男性を上回る傾向は、注目すべきですね。

市場全体を活気づける一因となりそうです。

アート・バーゼルとUBSが共同で実施した『2023年グローバル・アート収集動向調査』は、富裕層収集家の行動、市場の動向への見方に関する洞察を提供しています。

調査によると、2022年と2023年前半はアート市場が活性化し、国際的な取引が活発化しました。

特に香港、英国、米国では美術品の輸入が大幅に増加しました。

富裕層収集家の支出は引き続き堅調で、2022年の平均支出額は65000米ドルに達し、2021年と比べて19%増加しました。

2023年前半も支出が持続しており、2023年はさらに高い伸びが期待されます。

調査では女性収集家の平均支出額が男性を上回り、収集家の多くはディーラーから作品を購入する傾向が見られました。

市場の見通しについては、大多数の収集家が楽観的な見通しを持ち、今後1年間にアート作品の購入を計画している収集家は半数以上でした。

アートの力ってすごいですね！私も、直感で心惹かれる作品を探してみようかな…！

本日は、2023年のアート市場の動向と、富裕層コレクターの傾向について解説しました。

様々な要因が複雑に絡み合い、市場は変化していますね。