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北斎の『富嶽三十六景』の世界へ! 富士山と人々の姿を描いた浮世絵の魅力とは?「赤富士」と「黒富士」など、北斎が描く富士山の様々な表情

葛飾北斎の『富嶽三十六景』は、富士山の多様な姿を描いた不朽の名作。鮮やかな『赤富士』と対照的な『黒富士』、人々の暮らしを描いた作品群を通して、北斎の卓越した技と豊かな感性を堪能できます。時代を超えて愛される北斎の浮世絵は、現代アートやデザインにも影響を与え、新たな表現を生み出し続けています。

北斎の『富嶽三十六景』の世界へ! 富士山と人々の姿を描いた浮世絵の魅力とは?「赤富士」と「黒富士」など、北斎が描く富士山の様々な表情

📘 この記事で分かる事!

💡 葛飾北斎の『富嶽三十六景』は、富士山を様々な角度から捉え、人々の暮らしと共に描いた浮世絵作品群です。

💡 代表作「凱風快晴」(赤富士)と「山下白雨」(黒富士)に見る、富士山の対照的な美しさ。

💡 『諸人登山』に見る人々の信仰心や生活、そして現代における北斎作品の活用法を解説します。

さて、本日は葛飾北斎の代表作『富嶽三十六景』に焦点を当て、その魅力に迫っていきましょう。

北斎の理想:赤富士と黒富士

「赤富士」と「黒富士」は何が違う?

色と印象

冒頭では、葛飾北斎の『富嶽三十六景』の中でも特に有名な「赤富士」と「黒富士」について解説します。

北斎が描いた双子の富士山「赤富士」「黒富士」
北斎が描いた双子の富士山「赤富士」「黒富士」

✅ この記事は、葛飾北斎の代表作「富嶽三十六景」の中の「赤富士」こと「凱風快晴」と「黒富士」こと「山下白雨」を比較解説しています。

✅ 「赤富士」は、鮮やかな藍色の空と赤く染まった富士山、そして緑色の山麓の森というシンプルな配色で構成され、静的で雄大な富士山の印象を与えます。

✅ 一方、「黒富士」は、藍色の空と白い雲、そして黒い富士山と雨雲という、対照的な色使いで構成され、夏らしい激しい雨雲や稲妻が描き込まれており、動的で力強い富士山の印象を与えます。

さらに読む ⇒浮世絵・木版画のアダチ版画研究所出典/画像元: https://www.adachi-hanga.com/hokusai/page/enjoy_29

どちらも夏の富士山を描いた作品ですが、その印象は大きく異なりますね。

北斎が表現したかった富士山の姿を想像できます。

葛飾北斎の代表作『富嶽三十六景』には、有名な『赤富士』こと『凱風快晴』と、構図が酷似した『黒富士』こと『山下白雨』が存在します。

どちらも夏の富士を描いていますが、印象は対照的です。

『赤富士』は、鮮やかな藍色の空に赤く染まった富士山が描かれ、雄大な富士山の静寂さを感じさせます。

一方『黒富士』は、藍色のグラデーションで表現された空に、黒く聳え立つ富士山と、麓に降る白雨、稲妻が描かれ、夏の富士山のダイナミックな様子を表しています。

『赤富士』と『黒富士』は、どちらも特定の場所から見た実景ではなく、北斎が理想とした富士山の象徴的な姿と言えるでしょう。

作品タイトルに地名が入っていないことからも、特別な位置づけであったと考えられます。

北斎は、『赤富士』と『黒富士』を通して、夏の富士山の静と動、対照的な魅力を表現したと言えるでしょう

なるほど! 富士山って色んな顔があるんですね。なんだか、自分の内面を見ているような感覚になりました。

風景を超えて:人々の営みを描いた『富嶽三十六景』

「富嶽三十六景」の魅力は?

富士山と人々の暮らし

続いては、『富嶽三十六景』に描かれた人々の暮らしや信仰心に焦点を当てて解説していきます。

冨嶽三十六景諸人登山
冨嶽三十六景諸人登山

✅ 葛飾北斎の「冨嶽三十六景 諸人登山」は、信仰の山として人々が登る富士山の頂上を描いた作品です。

✅ 作品には、岩穴で休憩する人、険しい道を歩く人、はしごを登る人など、様々な登山者を描いています。

✅ この作品はシカゴ美術館に所蔵されており、パブリックドメインとして公開されています。

さらに読む ⇒出典/画像元: https://creativepark.canon/jp/contents/CNT-0029385/index.html

『諸人登山』は、富士山を信仰の対象とする人々の姿を描いた作品ですね。

当時の人々の富士山への思いが伝わってきます。

葛飾北斎の『富嶽三十六景』は、富士山を題材とした風景画であり、その雄大な姿を様々な角度から描き出しています。

各作品は、風景の美しさだけでなく、人々の暮らしや文化、歴史を鮮やかに描写しており、北斎の豊かな感性と卓越した画技が感じられます。

例えば、『諸人登山』では、富士山の姿は描かれていませんが、険しい山道を登る人々の姿が力強く描かれており、北斎独特の筆致が光ります。

また、『東海道金谷の不二』では、大井川を渡る人々の様子が描かれ、当時の交通事情を垣間見ることができます。

『駿州片倉茶園の不二』では、茶園で働く人々の姿が細密に描写され、当時の生活の様子が伝わってきます。

このように、『富嶽三十六景』は、富士山という自然の美しさを描き出すだけでなく、人々の生活や文化、歴史も同時に表現している点が特徴です。

各作品には、北斎の深い観察眼と豊かな想像力が凝縮されており、現代でも私たちを魅了する作品となっています。

風景画でありながら、人々の営みも描いている点が興味深いですね。当時の生活が垣間見えて面白いです。

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北斎「富嶽三十六景」の世界へ!時代を超え愛される名作の魅力、制作背景、現代アートへの影響を徹底解説。国内外のクリエイター達による斬新な活用事例も紹介。