ヴェネチア・ビエンナーレ日本館:歴史、課題、そして未来への展望(?)日本館を巡る芸術と建築:予算、改修、そして多様性
世界最大級の芸術祭、ヴェネチア・ビエンナーレ。日本館は、予算不足や老朽化という課題を抱えながらも、吉阪隆正設計の歴史的建築として存在感を放つ。2024年は先住民アーティストの活躍が目覚ましく、国際的な多様性がテーマに。改修を経て再始動する日本館は、今後の飛躍を期待される。予算改善が、国際舞台での更なる活躍のカギとなる。
日本館の建築:吉阪隆正によるデザインと改修の課題
日本館はどんな建築?
吉阪隆正設計のモダニズム建築
本章では、日本館の建築的特徴と、改修に関する課題について焦点を当てていきます。
公開日:2023/05/23

✅ ヴェネチアビエンナーレ国際建築展2023の日本館は、「愛される建築を目指して ─ 建築を生き物として捉える」をテーマに企画され、大西麻貴・百田有希・原田祐馬・多田智美の4名によるキュレーションチームによって構成されています。
✅ 展示では、dot architects、森山茜、水野太史といった出展者が、テキスタイル、セラミック、廃材などを用いて日本館に応答し、空間体験を通して「愛される建築」の可能性を探求しています。
✅ 本展は、日本館を「生きた場」として捉え、展示期間中にはワークショップやトークイベントなどのイベントも開催される予定です。
さらに読む ⇒出典/画像元: https://architecturephoto.net/179543/吉阪隆正氏の設計した日本館は、モダニズム建築の傑作ですね。
改修によって当初の特徴が失われたというのは、少し残念です。
建築的な特性を活かした展示方法が模索されているようですね。
1956年に完成した日本館は、吉阪隆正氏の設計によるユニークな建築です。
モダニズムの巨匠、ル・コルビュジエの影響が見られるピロティは、周辺の庭とも繊細にデザインされ、建築と外構が一体となった空間を創造しています。
しかし、当初の設計では、ガラスブロックによる自然光採光や内部と外部の一体化が図られていましたが、改築によってその特徴は失われてしまいました。
その後、老朽化による雨漏りやピロティの利用困難、展示空間の現代美術との適合性の低さなどが問題となり、美術評論家連盟や日本美術家連盟、日本建築家協会から改築の要望が出されました。
しかし、吉阪隆正の強い意志と、建築に対する強いこだわりから、改築は難航し、既存のデザインが維持されたままです。
過去の展示記録から、日本館の建築的な特性が展示に困難をもたらす場面も見られます。
現在も日本館の改修は行われていませんが、その建築的特徴をいかした展示方法や、改修の必要性について議論が続けられています。
なんだか、日本館も私と同じように変化を求めているみたい。新しい自分を見つけたい気持ち、すごくよく分かります。改修が進まない理由も、何か運命的なものを感じます……。
第60回ヴェネチア・ビエンナーレ:多様性とアイデンティティを探求
今年のヴェネチア・ビエンナーレで最も注目すべき点は?
先住民アーティストの存在感
本章では、近年のヴェネチア・ビエンナーレにおける、多様性とアイデンティティを探求した作品をご紹介します。

✅ 第60回ヴェネチア・ビエンナーレで、参加アーティスト部門の金獅子賞はマオリ族の女性アーティスト集団「マタアホ・コレクティブ」が、国別参加部門の金獅子賞はオーストラリア館のアーチー・ムーアが受賞しました。
✅ マタアホ・コレクティブは、伝統的な織物を用いたインスタレーション「Takpau」で、宇宙のような広がりとシェルターのような安心感を表現した点が評価されました。
✅ アーチー・ムーアは、パビリオンの壁に先住民の6万5000世代の家系図を描き、警察に拘束されている間に先住民が死亡したことを示す文書を展示し、先住民の歴史と現在に焦点を当てた作品が評価されました。
さらに読む ⇒(アートニュースジャパン)出典/画像元: https://artnewsjapan.com/article/2230第60回ヴェネチア・ビエンナーレは、多様性をテーマにした素晴らしい展示会だったようですね。
先住民のアーティストたちが活躍し、国際的な舞台で評価されていることは素晴らしいです。
第60回ヴェネチア・ビエンナーレは、フランス出身のクレール・フォンテーヌのどこにでもいる外国人をテーマに開催され、先住民アーティストの存在感が光る年となりました。
特に、オーストラリア館のアーチー・ムーアが、先住民としてのルーツを反映させた作品『kithandkin』で金獅子賞を受賞し、同国の初受賞となりました。
この作品は、祖先の名前が書かれた壁面と故人に関する検死書類の山という対照的な構成で、オーストラリアにおける植民地主義と先住民の文化の断絶を鋭く浮き彫りにしています。
また、アフリカからの参加国が過去最多の11ヶ国に達したことも注目すべき点です。
今年のヴェネチア・ビエンナーレは、先住民族や人種、ジェンダー、セクシュアリティといったテーマを通し、現代社会における多様性とアイデンティティを探求した国際展となっています。
多様性って、すごく大切ですよね! いろんな文化や価値観が認められるって、まるで宇宙みたいにキラキラしてる!
日本館の改修:伊東豊雄氏による修復と新たな出発
ヴェネチア・ビエンナーレ日本館、どう生まれ変わった?
吉阪隆正氏の設計意図を復元
本章では、日本館の改修について、伊東豊雄氏による修復と新たな出発に焦点を当てます。

✅ 「モダン・ムーブメント」シリーズの第2弾として、吉阪隆正の代表作である「ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館」を紹介する書籍です。
✅ 竣工当時の写真や吉阪隆正自身の言葉、改修を担当した伊東豊雄氏へのインタビューを通じて、建築の成立経緯、歴史的意義、設計プロセスを解説しています。
✅ 吉阪隆正の建築家としての出発点や、ヴェネツィア・ビエンナーレ美術展の年譜なども掲載されています。
さらに読む ⇒建築資料研究社出典/画像元: https://www.kskpub.com/book/b478475.html老朽化した日本館の改修が行われ、伊東豊雄氏によって建設当初の状態に復元されたことは喜ばしいですね。
新たな芸術文化の発信拠点としての役割に期待します。
ヴェネチア・ビエンナーレ日本館は、石橋正二郎氏の寄付により1956年に完成し、吉阪隆正氏の設計によるユニークな建物として知られています。
近年、老朽化が進み、改修が喫緊の課題となっていたことから、公益財団法人石橋財団が改修費用を負担し、建築家・伊東豊雄氏が改修を行いました。
今回の改修では、建設当初の状態にできるだけ復元され、日本の芸術文化の発信拠点としての役割を担うことになりました。
伊東豊雄氏は、吉阪氏の設計意図を極力回復する方向で改修を行い、特に庭園と屋根からの自然採光の修復により、当時の表情を取り戻すことができたと述べています。
日本館は、2014年6月から始まる「第14回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展」において、新たな装いで再オープンします。
改修によって、当時の姿が取り戻されたのは素晴らしいですね。建築にも、科学的な裏付けに基づいた修復が必要不可欠だということですね。
本日は、ヴェネチア・ビエンナーレ日本館の歴史、課題、そして未来について見てきました。
建築、予算、多様性…様々な視点から、日本館の魅力を再発見できたと思います。
💡 ヴェネチア・ビエンナーレ日本館は、日本の芸術文化を発信する重要な拠点である。
💡 予算不足、改修の課題など、日本館が抱える問題点と解決への道を探った。
💡 多様性とアイデンティティを探求する現代アートの潮流の中で、日本館の役割を考察した。