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マシュー・バーニーの世界?『クレマスター』シリーズから新作、上映会まで徹底解説!(?)マシュー・バーニーの世界:アート、映画、そして現代社会への問いかけ

現代美術界を揺るがす鬼才、マシュー・バーニー。代表作『クレマスター』から最新作『セカンダリー』まで、その深淵なる世界に迫る! 映像、彫刻、パフォーマンス… 多様な表現で人間の深層心理をえぐる。アイダホ州、ソートゥース山脈を舞台に、独特の世界観を展開。バーニー作品を読み解く9つのキーワードと共に、あなたもその衝撃を体験せよ!

マシュー・バーニーの世界?『クレマスター』シリーズから新作、上映会まで徹底解説!(?)マシュー・バーニーの世界:アート、映画、そして現代社会への問いかけ

📘 この記事で分かる事!

💡 マシュー・バーニーは、彫刻、パフォーマンス、映像など多岐にわたるジャンルで活躍する現代美術家です。

💡 代表作『クレマスター』シリーズは、芸術と医学、スポーツを融合させた不条理な物語です。

💡 新作や上映会情報も。実験的な映像表現は、現代社会への問いかけでもあります。

それでは、まずマシュー・バーニーの多岐にわたる活動と、彼の代表作である『クレマスター』シリーズについてご紹介いたします。

マシュー・バーニー - 多岐にわたる活動を展開する現代美術家

マシュー・バーニーの代表作「クレマスター」シリーズの第一作は、どんなモチーフと舞台設定?

タイヤ会社とスタジアム

本日は、マシュー・バーニーの『クレマスター1』について詳しく見ていきましょう。

マシュー・バーニー『クレマスター』()

公開日:2023/03/04

マシュー・バーニー『クレマスター』()

✅ 「クレマスター1」は、マシュー・バーニーの「クレマスター」シリーズ全5部作の中で唯一バーニー本人が出演していない作品です。

✅ アイダホ州ボイシのブロンコ・スタジアムを舞台に、グッドイヤーの飛行船と、地上で踊り狂うコーラスガールとダンサーズが幻想的な映像を作り出します。

✅ ハリウッド・ミュージカル風の短編フィルムで、バズビー・バークレーの超大作へのオマージュであり、バーニーの象徴的な「フィールド」エンブレムと、女性の身体、生殖能力、そして「グッドイヤー」という象徴的なモチーフが絡み合い、独特の世界観を構築しています。

さらに読む ⇒アート映画のパイオニア出典/画像元: https://www.tomosuzuki.com/post/cremaster1

『クレマスター1』は、ハリウッドミュージカル風の短編作品で、バーニーの世界観を凝縮した作品ですね。

独特の映像美が印象的です。

マシュー・バーニーは、現代美術界に大きな影響を与えているアメリカ出身の現代美術家です。

彫刻、パフォーマンス、映像、インスタレーションなど、多岐にわたる活動を展開しています

彼の代表作として挙げられるのが、全5部作の映像シリーズ『クレマスター』です。

このシリーズでは、自作の彫刻やパフォーマンスを記録したビデオを発展させ、それぞれの作品が特定の都市を舞台に、想像上のキャラクターが登場する不条理で意味深な物語を展開していきます。

医学、スポーツ、アートを背景に持つマシュー・バーニーの『クレマスター』は、重層的で、デヴィッド・リンチやデヴィッド・クローネンバーグの作品と比較されることもあります。

シリーズを通して、睾丸につながる腱をつつみ、温度によって伸びたり縮んだりする筋肉である「クレマスター」という概念がモチーフとして用いられています。

これは、母体内の胎児が性別が確定する前に形成され、卵巣と陰嚢の間に存在する曖昧な器官であり、作品のテーマとも関連しています。

『クレマスター』の第一作『クレマスター1』は、アメリカのタイヤ会社「グッドイヤー」を題材としたハリウッド・ミュージカル風の短編作品です。

舞台はマシュー・バーニーの生誕の地であるアイダホ州ボイシの巨大なブロンコ・スタジアム。

そこでは、白いドレスのコーラスガールが「グッドイヤー」のロゴ入りの飛行船の下でラインダンスを踊り、「グッドイヤー」のエアホステスが気だるげに過ごしています。

飛行船にはテーブルがあり、ブドウが置かれているのですが、それは子宮と卵巣の形を表しており、地面の踊り子たちも同様の形を作り出すことで、マシュー・バーニーの「フィールド」エンブレムを象徴しています。

唯一、マシュー・バーニー自身は出演していない本作ですが、女性のみに焦点を当て、子宮と卵巣をモチーフにした象徴的な映像で、彼の後続作品への伏線を張っていると言えるでしょう。

なるほど…まさに芸術と生命の神秘が融合したような世界観ですね。女性の身体や、グッドイヤーのモチーフなど、色々な暗示が込められているんですね。もっと色んな作品を観て、感じてみたいです!

リダウト - 延期中の最新フィルム作品

「リダウト」の舞台、アイダホ州は何を象徴している?

孤立と再生

続いては、延期中の最新フィルム作品『リダウト』について見ていきましょう。

リダウト
リダウト

✅ マシュー・バーニー監督の映像作品「リダウト」は、アイダホ州を舞台に、ギリシア神話「ディアナとアクタイオン」をアレンジした物語を描いています。

✅ 作品では、野生動物と人間の関係性が映し出され、言葉の代わりに身体表現が用いられています。

✅ バーニーは、パフォーマンスアートや映像作品で知られるコンテンポラリーアーティストであり、この作品も、彼の特徴的なスタイルである「人体」を題材とした作品となっています。

さらに読む ⇒ナタリーポップカルチャーのニュースサイト出典/画像元: https://natalie.mu/eiga/film/183399

『リダウト』は、アイダホ州を舞台にギリシャ神話をモチーフにした作品なのですね。

自然と人間の関係性、そして孤立といったテーマが興味深いです。

2019年のハロウィンの夜に日本プレミア公開されたマシュー・バーニーの最新フィルム作品『リダウト』(2018)は、チケット完売の大盛況となりました。

翌日のアンコール上映も満員御礼で、その後も東京、大阪、京都で上映予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で延期となりました。

本記事では、延期中の『リダウト』上映に先駆けて、同作品を理解する上で重要なキーワードを9つ紹介して行きます。

今回のキーワードは、アイダホ州、リダウト、ソートゥース山脈です。

アイダホ州は、マシュー・バーニーが育った場所であり、『リダウト』の舞台でもあります

広大な土地と自然環境は、作品の重要なテーマである孤立、再生、そして自然と人間の関係性を象徴しています。

『リダウト』は、軍事的な要塞を意味する単語ですが、本作品では、アイダホ州を「外部からの影響を受けない、孤立した場所」として捉え、心理的な要塞、アイデオロギーの要塞としての意味合いも持ち合わせています。

ソートゥース山脈は、アイダホ州の中心にそびえ立つ山脈で、作品の重要な舞台となります。

荒涼とした美しさを持つソートゥース山脈は、作品の世界観を形成する重要な要素です。

作品を理解するためのキーワードの提示は、非常に助かります。特に、自然と人間の関係性というテーマは、科学的な視点からも興味深いですね。作品を観て、その表現方法を分析してみたいです。

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マシュー・バーニー新作!NFLを題材に、引退後の選手たちの苦悩とスポーツの暴力性を描く。「セカンダリー」上映&トークイベント! 映画館がスタジアムに!