ドクメンタ16、揺れるアート界と複雑な問題？ドクメンタ16の選考委員会辞任と、ドイツのアートシーンにおける議論

それでは、まずドクメンタ16をめぐる様々な問題について、詳しく見ていきましょう。

ドクメンタ16、選考委員会全員辞任

ドクメンタ16の選考委員会の辞任は、現在の国際情勢と、過去の反ユダヤ主義騒動が複雑に絡み合った結果と言えるでしょう。

ドクメンタが暗礁に。イスラエル・ハマス紛争に関連して選考委員が全員辞任

✅ 2027年に開催予定のドクメンタ16の選考委員6人が全員辞任した。

✅ 辞任理由は、イスラエル・ハマス紛争の影響で、ドイツ国内におけるオープンな議論や複雑な芸術的アプローチが困難になったこと、ドクメンタ15における反ユダヤ主義騒動の影響で、選考委員の活動が制限され、責任あるキュレーションが不可能になったことなど。

✅ ドクメンタは選考委員をゼロから再結成することを約束したが、2027年に開催するかどうかは未定。

さらに読む ⇒（アートニュースジャパン）出典/画像元: https://artnewsjapan.com/article/1789

選考委員の辞任は残念ですが、ドイツ社会が抱える問題が浮き彫りになったとも言えます。

自由な議論の場をどう守るか、今後の課題ですね。

2027年に開催予定のドクメンタ16の芸術監督選考委員会は、イスラエル人画家ブラハ・エッティンガーとムンバイ在住の作家兼キュレーターのランジット・ホスコテの辞任を受け、残りの4人も辞任を発表しました。

特にホスコテの辞任は、彼が過去にイスラエルに対するボイコット運動を支持する請願書に署名したことが問題視され、ドイツ政府から資金援助の撤回をほのめかされたことが原因です。

ホスコテは、自身の行動を誤解されていると主張し、ドイツの言論界の偏見を批判しています。

ドクメンタ主催側はホスコテの行動を否定し、反ユダヤ主義との距離を強調していますが、選考委員会の辞任は、ドクメンタ15での反ユダヤ主義疑惑事件を踏まえ、ドイツ社会における反ユダヤ主義に対する高い感度と、自由な議論の制限というジレンマを浮き彫りにしています。

選考委員会のメンバーは、ドイツにおける反ユダヤ主義に対する過剰な反応が、ドクメンタのような芸術イベントに自由で多様な議論の場を狭めていると指摘し、辞任に至りました。

主催側は、選考プロセスを全面的に再構築することを検討しています。

うーん、難しい問題ですね。でも、アートって、色んな価値観がぶつかり合う場所であってほしいから、色んな意見が言えるような環境作りって大事ですよね。

ドイツにおけるパレスチナ人アーティストへの批判と支援

パレスチナ人アーティストへの批判と支援。

政治的な問題がアートに影響を与えている現状が分かります。

イスラエル首相がホロコーストは「パレスチナ人のせい」ドイツ

公開日:2015/10/22

✅ イスラエルのネタニヤフ首相が、ホロコーストは当時のパレスチナ人指導者のせいで起きたと発言したことに対し、ドイツのメルケル首相は、ナチスの責任だと反論しました。

✅ ネタニヤフ首相は、ナチス・ドイツのヒットラー総統はユダヤ人を欧州から追放しようとしていただけで、民族虐殺をヒットラーに提唱したのは当時のエルサレムのイスラム教宗教指導者ハジ・アミン・アル・フセイニ師だったと主張しました。

✅ ネタニヤフ首相の発言はイスラエル国内でも批判されており、歴史家や政治家からは、ホロコーストの責任を矮小化し、ヒットラーの役割を過小評価していると非難されています。

さらに読む ⇒出典/画像元: https://www.bbc.com/japanese/34600436

歴史認識の違いが、アーティストへの支援にも影響を与えているのは複雑ですね。

表現の自由と、歴史的背景への配慮のバランスが難しい。

ドイツでは、パレスチナ及びパレスチナのアーティストを支援するアート業界の一部の人々が厳しい批判にさらされており、講演や展覧会の中止などが相次いでいます。

一方で、パレスチナ人アーティストの支援を続ける団体もあり、ミュンヘンのクンストフェライン・ミュンヘンは、パレスチナ人アーティストの展覧会中止を求める声に対し、展覧会の継続を決定しました。

感情論ではなく、事実に基づいた情報が重要ですね。感情に流されず、客観的に判断できる材料を提示してほしいです。