豊嶋康子『発生法』展とは? 初期作品から新作まで、社会への問いを紐解く (?)東京都現代美術館で開催! 豊嶋康子展の見どころ
30年以上にわたり、社会の制度や価値観を独自の視点で問い続けるアーティスト、豊嶋康子の個展。日常に潜むルールや仕組みを「私」を通して解体し、私たちの認識や体験に潜む“発生”をあぶり出す。マークシート、経済システム、定規など、身近なものを題材にした多様な作品群は、既成概念を揺さぶり、私たちが当たり前と思っていることの意味を問い直す。思考とユーモアに満ちた、自由を再考する展示。
「豊嶋康子発生法──天地左右の裏表」展の概要
豊嶋康子の「発生法」展、どんな特徴がある?
500点超の作品で、社会と自己の関係を探る
本展は、豊嶋康子の思考の旅路を辿るような、貴重な機会となるでしょう。
公開日:2024/06/04

✅ 豊嶋康子の美術館における初の大規模個展「豊嶋康子 発生法──天地左右の裏表」が東京都現代美術館で開催される。
✅ 豊嶋は、物や道具の仕組み、学校教育、経済活動など、日常のさまざまな行為を素材とし、独自の仕方で読み替え、捉え返すことで、人の思考の型の形成、社会と自己の成り立ちの在り様を問うてきた。
✅ 本展では、初期作品から新作までおよそ400点を初めて一堂に公開し、豊島の制作の全貌を検証する。また、作家自身の構想にもとづき、個々の作品が持つ構造に応じて緩やかにグループ化された作品同士の関係性が見えてくる展示構成となっている。
さらに読む ⇒(アートイット)出典/画像元: https://www.art-it.asia/top/admin_ed_pics/241791/初期作品から新作まで、一堂に会する大規模な展覧会とのこと、大変興味深いです。
作品群の関係性に着目した展示構成も、作家の意図を深く理解する上で役立ちそうですね。
東京都現代美術館で開催中の「豊嶋康子発生法──天地左右の裏表」は、同館学芸員の鎮西芳美による企画展で、初期作品から新作まで、所蔵作品や個人蔵の作品も含め、500点を超える豊嶋康子の作品が一堂に会する。
本展は、社会と自己の複雑な関係、既成の制度やルールへの問い直し、そして認知の枠組みへの挑戦を、豊嶋康子の独自の視点を介して提示する。
展示は、初期作品から新作まで、年代順ではなく、作品群が互いに呼応し、豊嶋の30年以上にわたる創作活動を網羅する。
自分の人生観と照らし合わせて、作品を鑑賞できそうですね。何か新しい発見がありそうで、楽しみです。
豊嶋康子の初期作品と社会への介入
豊嶋康子の作品は社会、自己、認知の枠組みをどのように問い直しているのか?
既成の枠組みを攪乱し、オルタナティヴな視点を提示する
本章では、豊嶋康子の初期作品に焦点を当て、彼女が社会に対してどのように介入してきたのかを探ります。
公開日:2024/04/13

✅ 豊嶋康子の個展「発生法──天地左右の裏表」は、30年以上にわたる彼女の芸術活動を網羅した大規模な展覧会であり、約500点の作品が展示されています。
✅ 展覧会では、制作年度ではなく、作品の特徴や構造に着目した構成を採用しており、作家自身の言葉による解説を通して、作品間の繋がりや豊嶋の思考の深掘りが可能になります。
✅ 豊嶋作品は、日常のモノや社会システムへの違和感や関心を起点に、既存の枠組みを再解釈し、新たな視点からの「発生」を探求しています。作品を通して、鑑賞者は認識と体験に対する自身の固定概念を揺さぶられ、世の中を見る視点を広げられます。
さらに読む ⇒(アートーク)|話したくなるアートマガジン出典/画像元: https://girlsartalk.com/feature/33394.html初期作品から、社会に対する鋭い批評精神が感じられます。
経済や金融システムといった、現代社会の根幹をなすものへのアプローチは、非常に興味深いですね。
1990年のデビュー作である《エンドレス・ソロバン》と〈マークシート〉は、今回の展覧会のために修復され、オリジナルのインスタレーションを受け継いで展示されている。
初期作品は、豊嶋が受験生として経験した評価システムに対する批評精神を示しており、後の作品群につながる要素を孕んでいる。
また、1996年から制作している《口座開設》や《ミニ投資》といった、経済・金融システムに「私」という存在を通して介入する作品群は、既成の仕組みや枠組みに則りながら、オルタナティヴな見方を挟み、本来想定されている物事の意味作用を撹乱させる。
会場風景を通じて、豊嶋康子が自身の創作の中でどのように社会と自己、そして認知の枠組みの関係を問い直してきたのか、その軌跡を辿ることができる。
社会のシステムに゛私゛という存在を通して介入する、という表現方法にすごく惹かれます。自分の内面と向き合い、社会との繋がりを再認識するきっかけになりそうです!
豊嶋康子の作品が語る社会への問い
豊嶋氏の作品は、社会のどんな側面を問いかけている?
制度と価値観
本章では、豊嶋康子の作品が語る社会への問いに迫ります。
展示作品を通して、私たちが直面する問題について考えます。
公開日:2023/11/28

✅ 東京都現代美術館にて、現代美術家・豊嶋康子の美術館初の大規模個展「豊嶋康子 発生法──天地左右の裏表」が開催されます。
✅ 同展では、1990年のデビュー作から最新作まで約400点が展示され、豊嶋康子の30年以上におよぶ創作活動の全貌を、初期作から新作まで一堂に集めて検証する初の試みとなります。
✅ 豊嶋康子の作品は、物や道具の使用法、社会・経済活動、色彩の体系、表裏などの二項対立といった既成の仕組みや枠組みに対して、独自の解釈を加え、思考の型や社会と自己の成り立ちを問い直す内容となっています。
さらに読む ⇒ぴあエンタメ情報出典/画像元: https://lp.p.pia.jp/article/news/297689/index.html?detail=true多様な作品を通して、豊嶋康子の思考の深さを感じます。
型にはまらない表現方法で、私たちの固定観念を揺さぶる作品群は、きっと多くの示唆を与えてくれるでしょう。
展示されている作品は、制度や価値観、約束事と対峙する豊嶋の思考過程を表している。
例えば、パネルの裏面に木枠を増やし続けた「パネル」シリーズや、パネルの裏面の骨組みをつなげて収納部分や密封空間をつくる「隠蔽工作」シリーズは、鑑賞者の固定概念を揺さぶる。
また、展示ケースに散らばっているサイコロ《サイコロ》(1993)は規則と不規則を同居させた存在であり、豊嶋が展示室でふったサイコロをそのまま作品としたものである。
廊下には器状の作品《復元》(2003-06)が並んでいる。
これは、作家の身の回りに落ちていた破片をもとあったであろう形体に復元したもので、破片から形状を想像し、そして創造する試みとなっている。
展示室には、豊嶋の初期作品《マークシート》(1989-90)の再制作作品や、末端が先端につながっており、円環構造となっている《エンドレス・ソロバン》(1990)などが展示されている。
オーブントースターで加熱した直線定規、三角定規、分度器などの作品《定規》(1996-99)は、熱によってプラスチックが変形し、形状が歪み、目盛りが狂っている。
これらは機能を失なっているにもかかわらず、定規として認知できることを示し、我々の知覚と分類について考えさせる。
展示パネルの裏には、豊嶋自身の生命保険の満了通知を展示した作品《生涯設計》(2003-13)がある。
これは、自身が生命保険に加入し、10年契約の更新型終身移行保険をかけたものである。
豊嶋が生存すれば保険料を払い、死亡すれば保険金が支払われるという保険設計であり、自身の生存の確率を商品にすることで、保険というシステムの奇妙さを浮き彫りにする。
社会を支える制度についての豊嶋の興味は、銀行で口座を開設し、キャッシュカードの到着を待ち、カードが到着したらそのお金を引き出して別の銀行で口座を開設するという行為を繰り返した作品《口座開設》 (1996-)にも表れている。
会場には多種多様な銀行の通帳とカードが並んでおり、豊嶋はこれを「彫刻的」と表現している。
作品を通して、豊嶋は社会の仕組みや価値観を問い直し、それらを再構築しようとしている。
本展では、豊嶋の思考過程とその作品を通して、現代社会における制度や価値観について深く考えることができるだろう。
多様な作品を通して、社会構造や価値観を深く考察できるのは素晴らしいですね。知的好奇心を刺激される内容で、大変興味深いです。
本展は、豊嶋康子の作品を通して、私たち自身の社会に対する考え方を深める、非常に示唆に富んだ展覧会です。
ぜひ、足を運んでみてください。
💡 豊嶋康子の個展は、社会への鋭い眼差しと独創的な表現に触れる貴重な機会。
💡 初期作品から新作まで、30年以上の創作活動を網羅し、思考の軌跡を辿る。
💡 社会の制度や価値観を問い直し、新たな視点を与えてくれる作品群。