NMWAと女性アーティストたち:多様な表現と新たな挑戦とは?世界唯一の女性美術館NMWAと、表現を切り開く女性アーティストたち
女性アーティストの芸術を世界に届ける国立女性美術館(NMWA)。1987年開館以来、女性の視点で制作された作品を収集・展示し、その歴史的価値を再認識させています。3年に一度開催される国際グループ展「Women to Watch」では、日本人アーティスト長谷川愛が選出。ジェンダー、環境、生命倫理など、多様なテーマで現代社会に問いかける作品群は必見です。
💡 NMWAは、女性アーティストの作品のみを所蔵・展示する世界唯一の美術館。1981年設立、1987年開館。16世紀から20世紀の女性画家作品を展示。
💡 NMWAは、企画展とグループ展「Women to Watch」を開催。「Women to Watch」は、世界中の女性アーティストを紹介する場。
💡 2024年の「Women to Watch」では、多様なテーマを扱う28名の女性アーティストの作品を展示。日本人アーティストも参加。
本日は、女性アーティストの作品に焦点を当てた美術館、そしてその美術館が開催する展覧会についてご紹介していきます。
まずは、美術館の概要から見ていきましょう。
女性アーティストに焦点を当てた美術館:国立女性美術館(NMWA)
女性アーティストの作品に特化した美術館って世界にいくつある?
世界で一つだけ
クララ・ペーテルスの作品は、静物画の新たな可能性を示唆しています。
彼女の初期作品は、まるで宝石のように細かく描写され、光と影の表現も素晴らしいです。

✅ クララ・ペーテルスは、1594年にアントウェルペンで洗礼を受けたフランドルの女流画家であり静物画を主に描いた。しかし、彼女の生涯については多くの謎が残っており、初期の作品は才能のある若き天才の作品として高く評価されている一方で、1621年以降の作品は彼女の真作ではないとされている。
✅ 彼女の作品は、精緻な描写と細密な表現で知られており、静物画における写実主義の先駆者とされている。特に初期の作品は、光と影の表現や質感の描写が卓越しており、当時のフランドル絵画の伝統を受け継ぎながらも、独自のスタイルを確立している。
✅ クララ・ペーテルスの作品は、彼女の晩年における作品が真作かどうかという議論を含め、今日でも多くの研究者によって研究されている。彼女の生涯の謎と作品の真偽については、さらなる調査と研究が必要とされている。
さらに読む ⇒世界美術館巡り旅出典/画像元: https://galleryhopping.livedoor.blog/archives/18024511.htmlクララ・ペーテルスの作品は、その精緻な描写と、初期作品の評価の高さが印象的です。
真作かどうかの議論があることは、彼女の作品に対する更なる興味を引きます。
国立女性美術館(NMWA)は、女性アーティストの作品のみを所蔵・展示する世界唯一の大規模な美術館です。
1981年に美術品蒐集家のウィルヘルミナ・ホラデイによってワシントンD.C.に設立され、1987年に開館しました。
美術館の創設は、ホラデイが欧州旅行で出会った女性画家クララ・ペーテルスの作品をきっかけに、忘れ去られた女性画家や評価されてこなかった画家が多くいることに気づいたことから始まりました。
彼女は夫とともに60年代から美術品を蒐集し始め、1981年に美術館を設立しました。
その後、6年間で2千万ドル以上の資金を調達し、ジョージタウンの自宅で蒐集した作品を一般公開しました。
建物の設計は、1903年にフリーメイソン寺院として建設されたネオルネッサンス様式の建築です。
敷地面積は7322m2で、5階建ての建物には、常設展示「コレクション・ハイライト」、特別展会場、図書館・研究センター、レンタルスペースなどがあります。
展示内容は、16世紀から20世紀の「女性画家が女性を描いた」肖像画、男性中心の歴史に対する女性の歴史Herstory、身体表現に焦点を当てた「ボディーランゲージ」、日常生活をテーマとする「家事」、自然にインスピレーションを得た作品を展示する「ナチュラル・ウーマン」など、様々なテーマ別に作品が紹介されています。
美術館は、女性アーティストの芸術を評価し、その歴史を再認識するための貴重な存在として、世界中から注目を集めています。
すごいですね!忘れられた女性画家たちが、こんなにも素晴らしい作品を残していたなんて、本当に感動しました。もっと色々な作品を見てみたいです!
NMWA:女性アーティストの表現を促進する美術館
NMWAはどんな美術館?
女性作家専門美術館
NMWAは、女性アーティストの表現を促進し、その価値を広く認識させるという理念が素晴らしいですね。
「Women to Watch」のような企画は、とても意義深いと思います。

✅ NMWAは、女性アーティストの作品のみを収蔵する世界で初めての美術館として、1987年に設立されました。設立の背景には、美術品収集家のウィルへルミナ・ホラディ夫妻が60年代から収集してきたコレクションがあります。NMWAは、女性の芸術表現を促進し、その価値を広く認識させることを理念としています。
✅ NMWAは、企画展やグループ展「Women to Watch」を通じて、世界中の女性アーティストの作品を紹介しています。「Women to Watch」は、2〜3年に一度開催され、各国の委員会がキュレーターを選出し、作家を推薦する仕組みです。今年は28の委員会が参加し、日本は21年にNMWA日本委員会が発足しました。
✅ 日本委員会は、美術界におけるジェンダーギャップ解消を目的とし、女性作家を積極的に紹介していく活動を行っています。今回の「New Worlds: Women to Watch 2024」では、藪前知子氏がコンサルティング・キュレーターを務め、5人の女性アーティストを選出しました。藪前氏は、女性という枠組みを超えて、多様なアイデンティティが共存する社会の実現を目指しており、その過程において、抑圧されてきた考えや手法を引き出すことの重要性を訴えています。
さらに読む ⇒美術手帖出典/画像元: https://bijutsutecho.com/magazine/interview/28595NMWAの理念と、「Women to Watch」の取り組みは、女性アーティストの活躍を応援しているようで素晴らしいですね。
日本からも参加しているのは、嬉しいです。
NMWA(National Museum of Women in the Arts)は、女性アーティストの作品のみを収蔵する、ワシントンD.C.にある非営利の私立美術館です。
1987年に開館し、美術品収集家のウィルへルミナ・ホラディが夫とともに60年代から収集してきたコレクションを中心に運営されています。
NMWAは、女性アーティストの表現を促進し、その功績を称えることを目的とし、世界で初めて女性作家専門の美術館として設立されました。
美術館は、企画展に加えて、2〜3年に一度、世界各地から委員会が参加するグループ展「Women to Watch」を開催しています。
今年は7回目の開催で、28の委員会が参加しています。
日本からは、2021年にNMWA日本委員会が発足し、インドとともにアジア圏から初参加となります。
日本委員会は、アメリカで金融界で活躍してきた女性たちが中心となり、美術に関心の深い方々に声をかけて設立されました。
男性も多数参加しており、今回「Women to Watch」に日本からアーティストを推薦するコンサルティング・キュレーターに選出されたのは、藪前さんです。
藪前さんは、現代美術界におけるジェンダーギャップについて、女性作家についての言説とアーカイヴを増やすことの重要性を訴えています。
今回のキュレーター活動を通して、これまで隠されてきた女性アーティストの表現や価値観を社会につなぐことを目指しています。
藪前さんは、「女性」というアイデンティティが重視されるだけでなく、抑圧されてきた考えや主題・手法を引き出すことで、複合的なアイデンティティが明らかになることを強調しています。
モダニズム研究者としての専門性を活かし、従来の美術史の中心を担ってきた男性とは異なる視点から、女性アーティストの表現を探求しています。
うーん、確かに面白い試みですね。でも、美術館が特定の性別のアーティストに限定されているというのは、少し偏っているようにも感じます。多様性の観点から、もう少し客観的な視点も必要ではないでしょうか。
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NMWAの国際グループ展「Women to Watch 2024」開幕!日本人アーティスト長谷川愛が出展。多様な視点で未来を描き出す、28人の女性アーティストたちの作品に注目。