ナン・ゴールディン個展、表現の自由は？検閲問題と映画『美と殺戮のすべて』から考える（？マーク）ベルリン新国立美術館、ガザ問題巡る個展騒動。ゴールディンの芸術と社会活動。

それでは、本記事で取り上げるナン・ゴールディンの個展を巡る様々な問題について、順を追って見ていきましょう。

開幕前の騒動

本章では、個展が開幕するまでの騒動について解説します。

ナン・ゴールディンが個展に際して、ガザ問題に関するメッセージを込めたことが、様々な議論を呼ぶこととなります。

個展開催中のナン・ゴールディンが美術館による検閲を主張。美術館は「事実と異なる」と否定

✅ ナン・ゴールディンがベルリンの新国立美術館での個展で、ガザ地区、レバノン、イスラエルへの連帯を示すスライドを追加しようとした際に検閲があったと主張。

✅ 美術館側は、当初はイスラエル国内の犠牲者への言及がないため展示を認めなかったと反論し、ゴールディンの発言は事実と異なると否定。

✅ 最終的には連帯を示すメッセージが追加されたが、美術館側は表現の自由を認めていると主張、詳細は不明なままとなっている。

さらに読む ⇒（アートニュースジャパン）出典/画像元: https://artnewsjapan.com/article/16611

美術館側の対応とゴールディンの主張の間には食い違いがあり、真相は不明な部分も残っています。

しかし、表現の自由と政治的なメッセージの発信という、現代アートが抱える課題が明確になりました。

2024年11月22日、ベルリン新国立美術館で、ナン・ゴールディンの個展が幕を開けました。

この展覧会は、彼女の写真と映像作品に焦点を当てたものでしたが、開幕前から大きな波紋を呼んでいました。

その発端は、ゴールディンが2023年に発表された、ガザへの攻撃停止を求める公開書簡に署名したことでした。

うーん、表現の自由って難しいですね。でも、自分の意見を表明する場があるって、素晴らしいことだと思います。彼女の作品、見てみたいなぁ。

プレビューイベントでの激論

本章では、プレビューイベントでの激論について解説します。

ゴールディンは、ドイツの一部の報道機関を非難したことが、事態を複雑化させました。

イスラエル批判」は「反ユダヤ主義」？パレスチナを巡り、ドイツで何が起きているのか

公開日:2024/07/08

✅ シリアからドイツに避難した家族との再会を通して、ドイツが難民受け入れや過去の過ちへの向き合い方で先進性を示してきた一方、ガザ地区での紛争を巡って「反ユダヤ主義」という言葉が使われ、パレスチナ問題の本質が見えにくくなっている現状を指摘している。

✅ ドイツでは、ハマスの攻撃を起点とする認識が広まり、パレスチナ問題の歴史的背景や、ガザにおける現状が「人質解放のための作戦」を超えた「パレスチナ人の存在の否定」となっているにもかかわらず、議論が抑制される傾向がある。

✅ ベルリンでのデモを通して、パレスチナだけでなく、シリアやクルディスタンなど、抑圧された人々との連帯が示され、歴史的事実を子どもたちに伝えようとする親の姿を通じて、多角的な視点を持つことの重要性が訴えられている。

さらに読む ⇒のサイトトップページ（ダイアローグフォーピープル）出典/画像元: https://d4p.world/25678/

今回の件は、パレスチナ問題に対する多様な意見を議論することの難しさを示唆しています。

反ユダヤ主義という言葉が、本来の意味から逸脱し、議論を抑制する要因になっていることも見過ごせません。

公開書簡への署名が、ドイツの一部の報道機関から反ユダヤ主義とみなされたことが、事態を複雑にしました。

プレビューイベントで、ゴールディンはドイツの報道機関を「反ユダヤ主義」と非難し、イスラエルによるガザ攻撃に対する批判を受け入れないドイツ政府を批判しました。

彼女は、反ユダヤ主義という言葉が本来の意味を失い、イスラム恐怖症が無視されていると主張。

イベントでは、ガザ地区に捧げる4分間の黙祷が行われ、パレスチナの旗が振られる一方、野次も飛び交いました。

反ユダヤ主義という言葉が、安易に使われすぎているように感じます。感情論ではなく、事実に基づいた議論が必要だと思いますね。偏った情報に振り回されないように、注意しなくては。