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国宝『辟邪絵』とは?災厄を祓う神々の姿を描いた絵巻物の謎に迫る!疫病退散を願う平安絵巻の世界

平安時代の傑作『辟邪絵』。疫病を退散させる神々の勇姿を活写した五幅の絵画は、鬼との戦いをユーモラスに描き出す。中国の辟邪信仰をルーツに、後白河法皇の六道絵とも解釈される。天刑星、鍾馗、毘沙門天…様々な方法で鬼を退治する姿は、当時の人々の災厄への恐れと、それを乗り越えようとする力強い信仰心を表す。 奈良博のワークショップで、絵巻の世界を体感しよう!

国宝『辟邪絵』とは?災厄を祓う神々の姿を描いた絵巻物の謎に迫る!疫病退散を願う平安絵巻の世界

📘 この記事で分かる事!

💡 『辟邪絵』は、疫病などの災厄を払うとされる神々を描いた絵画です。

💡 平安時代に制作され、中国の辟邪信仰の影響を受けていると考えられています。

💡 絵巻物の構成、登場する神々、そしてその歴史的評価について掘り下げます。

それでは、日本美術史に残る傑作『辟邪絵』について、その魅力と謎を紐解いていきましょう。

災厄を祓う絵巻:辟邪絵の始まり

平安時代の『辟邪絵』は何を描いた?鬼退治の姿?

疫病をもたらす鬼を退治する神々の姿。

『辟邪絵』とは、平安時代に描かれた辟邪(厄除け)を目的とした絵画です。

中国の辟邪信仰に由来し、疫病や災厄を払う力を持つ神々が描かれています。

辟邪絵 文化遺産オンライン
辟邪絵 文化遺産オンライン

✅ 益田家本地獄草紙乙巻として知られていた絵巻は、中国の疫鬼を退散させる善神を描いた辟邪絵であり、天刑星、栴檀乾闥婆、神虫、鍾馗、毘沙門天などが描かれている。

✅ 図像の淵源は南都と強く関係し、平安時代の仏名会で使用された「地獄變御屏風」との関連も推測され、後白河法王の時代に制作され、蓮華王院宝蔵に収められていた可能性がある。

✅ 各辟邪神の働きを簡潔に説明する詞書きが添えられており、東京国立博物館本地獄草紙や福岡市美術館本勘当の鬼図の詞書との筆跡が同一であるとの指摘もある。

さらに読む ⇒文化遺産オンライン出典/画像元: https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/200562

様々な神々が描かれ、それぞれの役割が詳細に説明されています。

図像の淵源や、後白河法王との関わりなど、興味深い情報が満載ですね。

平安絵巻の傑作『辟邪絵』は、疫病や災厄をもたらす鬼を退治する神々の姿を描いた五幅の絵画です

元は一巻の絵巻物として存在し、それぞれの神々が異なる方法で鬼を退治する様子が、勇ましく、そしてどこかユーモラスに描かれています。

この絵巻は、中国の辟邪信仰に由来し、宋代の宮廷の厄除け行事の屏風図様を源流とし、平安時代の仏名会での地獄変屏風に継承されたと考えられています。

辟邪絵は、かつて後白河法皇の六道絵の一つとして地獄を描いたもの、あるいは、鬼として生まれた者の苦しみを描いたものと解釈されることもあります。

すごい!まるで物語みたいですね!昔の人々がどんな思いでこの絵巻を見ていたのか、想像が膨らみますね。

絵巻の構成と登場する神々

辟邪絵、鬼退治!五神の必殺技とは?

天刑星は悪鬼を食べ、鍾馗は目をえぐる!

『辟邪絵』には、天刑星、栴檀乾闥婆、神虫、鍾馗、毘沙門天の五つの神々が登場します。

それぞれが異なる方法で鬼を退治する様子が描かれています。

e国宝
e国宝

✅ 平安時代に制作された、疫鬼を退散させる善神を描いた絵巻。天刑星、栴檀乾闥婆、神虫、鍾馗、毘沙門天などが描かれている。

✅ 元々は絵巻物であったが戦後に切断され掛幅装になった。地獄草紙などと一連の六道絵巻として、後白河法皇の時代に制作され、蓮華王院の宝蔵に納められていたと推測される。

✅ それぞれの辟邪神の働きを説明する詞書が添えられており、南都(奈良)や宮中の仏名会とも関係があると考えられる。

さらに読む ⇒e国宝 - 国立文化財機構所蔵 国宝・重要文化財出典/画像元: https://emuseum.nich.go.jp/detail?content_base_id=100247

それぞれの神様の役割と、鬼を退治するユニークな方法が興味深いですね。

当時の人々の信仰や、悪鬼に対する考え方がよく分かります。

『辟邪絵』は、天刑星、栴檀乾闥婆、神虫、鍾馗、毘沙門天の五つの神々が描かれており、それぞれ異なる方法で鬼を退治しています

「天刑星」は悪鬼を食べ、「栴檀乾闥婆」は鬼神の首を討ち、「神虫」は鬼を捕食し、「鍾馗」は鬼の目をえぐり、「毘沙門天」は弓矢で鬼を射る姿が描かれています。

特に天刑星は、岩に座り悪鬼を食べる姿で描かれ、その画風は平安後期から鎌倉期にかけての南都仏画に近く、同時代の絵画との類似性も指摘されています。

また、詞書によると、天刑星が食べる悪鬼は牛頭天王をはじめとする疫鬼であり、陰陽道や真言密教でも重視されていたことから、当時の疫病に対する祈祷法との関係性も示唆されています。

確かに、それぞれの神様の役割が具体的で面白いですね。でも、科学的な根拠はあるのでしょうか?

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幕末に生まれた『辟邪絵』。国宝指定、デジタル化を経て、今も人々に。災厄から人々を守る姿を描いた絵巻を、ワークショップで体感!