国宝『辟邪絵』とは?災厄を祓う神々の姿を描いた絵巻物の謎に迫る!疫病退散を願う平安絵巻の世界
平安時代の傑作『辟邪絵』。疫病を退散させる神々の勇姿を活写した五幅の絵画は、鬼との戦いをユーモラスに描き出す。中国の辟邪信仰をルーツに、後白河法皇の六道絵とも解釈される。天刑星、鍾馗、毘沙門天…様々な方法で鬼を退治する姿は、当時の人々の災厄への恐れと、それを乗り越えようとする力強い信仰心を表す。 奈良博のワークショップで、絵巻の世界を体感しよう!
辟邪絵の歴史:流転と評価
『辟邪絵』の運命とは?今どこで何が見られる?
現在は五幅の掛幅。奈良国立博物館所蔵。
国宝『辟邪絵』は、かつては絵巻物として存在し、現在は五幅の掛軸として奈良国立博物館に所蔵されています。
益田鈍翁のコレクションを経て、国宝に指定されました。
公開日:2021/05/26

✅ 国宝『辟邪絵』は、悪鬼を退治する善神を描いた絵画で、かつては「地獄草紙」とされていましたが、現在は5幅の掛軸として奈良国立博物館に所蔵されています。絵巻物として制作され、六道絵の一部と考えられています。
✅ 描かれているのは、天刑星、栴檀乾闥婆、神虫、鍾馗、毘沙門天で、それぞれが疫鬼を懲らしめる様子が描かれています。表現は明快で力強く、平安時代末から鎌倉時代初め頃の制作と考えられており、益田鈍翁や中沢家が所蔵していました。
✅ 奈良国立博物館で定期的に公開されており、過去には東京国立博物館や石川県立美術館でも展示されました。2025年には奈良国立博物館で公開予定です。
さらに読む ⇒WANDER 国宝出典/画像元: https://wanderkokuho.com/201-00161/歴史の中で様々な変遷を経てきたんですね。
益田鈍翁や中沢家のコレクションだったとは、驚きです。
展示情報も参考になります。
『辟邪絵』は、幕末に大坂の書画商から江戸に持ち込まれました。
その後、益田鈍翁の所蔵を経て、戦後に切断され、現在は五幅の掛幅として存在しています。
昭和59年には重要文化財に指定され、翌年には国宝となり、平成2年には奈良国立博物館の所蔵となりました。
『辟邪絵』は、画風や図像から『地獄草紙』や『餓鬼草紙』など、同時期の作である可能性が指摘されています。
奈良博所蔵の『沙門地獄草紙』との類似性から、六道絵の一部だった可能性も考えられています。
人生の転機を迎えた私にとって、この絵巻に描かれた神々が、なんだか心の支えになるような気がします。
複製とワークショップ:文化財の活用
奈良博の『辟邪絵』体験!どんなワークショップ?
拡大絵巻や複製品で、絵巻物を体感!
奈良国立博物館では、『辟邪絵』の複製を活用したワークショップを開催しています。
絵巻物に触れたり、読み聞かせを聞くことで、より深く理解できます。

✅ 文化財活用センター〈ぶんかつ〉が開催するワークショップ「絵巻物をみて!きいて!さわろう!」は、絵巻物の複製品を用いて、絵巻物の内容理解と鑑賞方法を体験的に学ぶことを目的としている。
✅ ワークショップでは、奈良国立博物館所蔵の国宝「辟邪絵」と「地獄草紙」を題材とし、大型の絵巻装置「びっくり絵巻」による読み聞かせと、原寸大の絵巻物複製品への触れる体験を通して、絵巻物の世界をより身近に感じ、細部までじっくりと鑑賞できる。
✅ 参加者は、読み聞かせでストーリーを理解した後、複製品に触れることで内容への理解を深め、絵巻物の鑑賞方法を学ぶことができる。
さらに読む ⇒文化財活用センター出典/画像元: https://cpcp.nich.go.jp/modules/rblog/1/2023/11/16/blog151/ワークショップで、実際に絵巻物に触れたり、拡大された絵巻物を見ることができるのは、良いですね。
子供から大人まで楽しめるのも素晴らしいです。
奈良国立博物館は、『辟邪絵』の複製とデジタルコンテンツを開発し、文化財の活用を促進しています。
その一環として、ワークショップ「絵巻物をみて!きいて!さわろう!」が開催され、参加者は、4倍に拡大された「びっくり絵巻」で読み聞かせを聞き、原寸大の複製品に触れることで、絵巻物の世界をより身近に感じ、内容への理解を深めることができます。
このワークショップは、子どもから大人まで楽しめる内容となっており、絵巻物の鑑賞方法についても学ぶことができます。
絵巻物を通して、スピリチュアルな世界を体験できるなんて、すごく魅力的!ぜひ参加してみたいです!
辟邪絵:信仰と芸術の融合
『辟邪絵』は何を描いた?当時の人々のどんな思いが?
悪疫から人々を守る姿と、信仰・災厄への思い。
『辟邪絵』は、信仰と芸術が融合した作品です。
天刑星と牛頭天王の習合など、当時の信仰のあり方を知る上で貴重な資料となります。
公開日:2019/08/27

✅ 破門殺の御祈祷は、天刑星(=木星)のご真言を唱えることで、一種の試練として得難い成長体験をもたらす。
✅ 天刑星は天の刑罰、星の災いを意味し、牛頭天王と同一視される。
✅ 今年は亥年で、太歳の反対側の巳を中心に、巽、丙が敗れる方位であり、宿曜の破門殺も同様の原理で災いを祓う。
さらに読む ⇒金翅鳥院のブログ出典/画像元: https://konjichouin.hatenablog.com/entry/2019/08/27/102818当時の人々の信仰心や、疫病に対する恐れと、それを乗り越えようとする力強い思いが伝わってきます。
美術品としてだけでなく、歴史的にも重要な意味があります。
『辟邪絵』は、中国の辟邪信仰と、日本の仏教美術が融合した傑作です。
特に天刑星と牛頭天王の習合は、当時の信仰の変遷を考察する上で貴重な資料となっています。
これらの神々は、様々な方法で悪疫から人々を守ろうとする姿で描かれ、絵巻物を通して、当時の人々の信仰や、災厄に対する恐れ、そしてそれを乗り越えようとする力強い思いが伝わってきます。
『辟邪絵』は、単なる美術品としてだけでなく、当時の文化、信仰を理解する上でも重要な意味を持っています。
なるほど。信仰と芸術が融合しているんですね。科学的な目で見るだけでは分からない、奥深さがありそうです。
本日は『辟邪絵』についてご紹介しました。
疫病退散を願う人々の思いが込められた、貴重な文化遺産です。
💡 『辟邪絵』は、疫病や災厄を払う神々を描いた絵画です。
💡 平安時代に制作され、中国の辟邪信仰の影響を受けています。
💡 奈良国立博物館で所蔵されており、複製を活用したワークショップも開催されています。